♡.13 ページ26
んで、現実。
なんと私は服を着たまま、シャワーを浴びている。いや、強制的に浴びさせられている。
うぇ、だんだん布張り付いてきた……
シャワーはお湯だからいいものの、布が肌に張り付く感覚は得意ではない。
目に水が入るからあまり目を長く開けてられない。けれど、隙間から見える千冬くんは怒って見えた。
ぴた、とシャワーが止んだと思ったら、じ、と千冬くんに見られる。
びったびたで下着も肌も透けてて、いつもと違うシチュエーションで。
彼に見られるとものすごく恥ずかしい。
「…前にA雨降りの日俺の家来たことあったよな」
『…？あぁ、あの日。千冬くん家行くの初めてだったから覚えてる』
「前もこんなびったびたで、肌見せてた」
それは傘持ってなかったからしょうがない、と言いかけたけど、唇を塞がれてしまってかき消された。
お風呂場だからか、声や水音がよく響く。
数秒重なった後、離れて行った。
むす、とした表情を見せているけど、私と同じく濡れていている彼に、あの日のことを鮮明に思い出される。
確かあの日は、千冬くんが呼び出されてて…あれ、先生にだっけ？場地さんだっけ？
で、待ってたら雨強くなっちゃって、濡れてたから大事な特攻服借りて…
「あの日、クラスの女子に告られたんだけど」
『そうだったんだ』
ちょっとやだな、なんて数年前のことにさえ嫉妬してしまう自分が恥ずかしい。
千冬くんに、私以外の女の子に優しくして欲しくない、なんて願ったのは学生の頃からだ。
重いかなと思って内に秘めてたから、千冬くんは知らないと思うけど。
「今A、やだって思った？」
『、え？…まあ』
「俺も同じ。」
ぢゅ、と首筋を吸われ、思わず声が出る。
「たとえ知っている人でも、Aが1人で他の男と会うのが俺はやだって思う」
むぅ、とかわいらしくほっぺを膨らませているけれど、目は真っ直ぐに私を見ている。
『ごめんなさい。千冬くんを満足させたくて』
「知ってる」
ぎゅうと抱きつくと、背中に手が回ってくる。
その手が暖かくて、嬉しくて、幸せで。
私たちはお互い依存しているのかもしれない。
だけれども、その熱が心地良い。
『ところで千冬くん、このネクタイ取ってくれない？』
「んー…だめ」
さっきの真剣な眼差しはどこに行った、と思うくらい無邪気な笑顔。
…ん？？
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なの(プロフ) - しらそさん» ありがとうございます！！！面白い&かわいい&えち目指してるのでそう言っていただきとても嬉しいです！！ (2023年3月20日 19時) (
レス) id: 40952220cb (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - Aliceさん» ありがとうございます！！！ (2023年3月20日 19時) (レス) id: 40952220cb (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - てるさん» うわああ神様（ ; ; ） ありがとうございます…！！！ (2023年3月20日 19時) (レス) @page12 id: 40952220cb (このIDを非表示/違反報告)
しらそ - 面白くてきゅんきゅんする小説が好きなんですが、これはもう好き超えて愛してます！神のような作者様とお友達になれたらどれだけ幸せなんでしょうか把握（？）です！ (2022年2月6日 23時) (レス) @page12 id: 8040e95015 (このIDを非表示/違反報告)
Alice - 続編も拝見させていただきました！これからも更新頑張ってください(*ﾟ∀ﾟ) (2021年9月29日 19時) (レス) id: 6485b8cd5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2021年9月12日 8時
