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音のした方を見ると、さっきまで座っていた三橋くんが立ち上がっていた。
｢お前何で...そうか、手の肉削いで手錠外したのか。面白ぇ｣
そう言って相良さんは鉄の棒を私から離す。
彼の言う通り、三橋くんの手は、血塗れだった。三橋くんはフラフラとこちらに歩いてくる。
そして、相良さんと私の間に割って入れば私の顔の横に両手をついた。
｢...相変わらず泣き虫だな、Aは｣
｢三橋くん...っ｣
いつの間にか泣いていた私を見て三橋くんは力なく笑う。その笑顔を見て更に涙が溢れる。
｢...もう殴る力も残ってないってか。じゃあ遠慮なく殴らせてもらうぞ！！！｣
そう言うと相良さんは近くにあった鉄パイプを手に取り三橋くんに向かって振りかざす。
鉄パイプが三橋くんの体に当たる度、彼は肩を大きく揺らす。...このままじゃほんとに死んじゃう。
｢三橋くん、もういいよ！早く逃げて！｣
｢良くねぇよ...女置いて逃げれるわけねぇだろ...っ｣
｢で、でも！ほんとに死んじゃうよ...｣
｢っばか、俺は強ぇんだよ...それにな、もうすぐアイツが来るんだから、大人しく待っとけって...｣
｢い、伊藤くん？でも伊藤くんも同じような目に合ってるんじゃ...｣
｢それでも来るんだよ...！！｣
三橋くんは唇を噛み締めて痛みに耐えている。伊藤くんが来ると信じて。...伊藤くん、早く来て。もう無理だよ。
その願いが通じたのか、相良さんは伊藤くんの飛び蹴りによって横に吹き飛んだ。
｢伊藤くん...！！！｣
｢てめぇ、何で...まさか女捨てたのか｣
｢んなわけねぇだろ。...裏切り者はな、最終的に痛い目見ることになってんだよ｣
...まさか、片桐さんが助けに...？
私と同じことを考えたのか相良さんは乾いた笑みを浮かべる。そんな相良さんに伊藤くんは容赦無く頭突きをすると、彼は気絶してしまった。
それを見て三橋くんはバタリと地面に倒れる。
｢三橋くん！！｣
｢あー...さっき、ちゅー、出来たなぁ...｣
｢...ばか｣
｢...助けなきゃよかった｣
なんて言いながらも、いつも通りの三橋くんに少し安心した。
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ソウ - はじめまして！ソウです！読ませていただきました！めっちゃ面白かったです！これのおかげでまた今日から俺は大好きになりました！ありがとうございます！！( ≧∀≦)ノ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 8344a9dd37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるる。 | 作成日時：2019年4月30日 14時
