金髪パーマで卑怯な彼氏。【今日から俺は!!】 (ページ40)

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それから三橋くんはずっと黒髪のまま大人しくしていた。何か策があるんだろうけど、伊藤くんに説明ぐらいてもいいんじゃないかな。ずっと怒ってるし。

でもまぁ伊藤くんと一緒に帰るのは楽しいからいいんだけどさ。伊藤くんはほんとに優しくて、今日なんて私が先生に呼び出されて帰るのが遅くなったっていうのにずっと待っててくれた。

｢伊藤くん、ほんとにごめんね。もう暗くなっちゃって...｣

｢大丈夫大丈夫。あ、そうだAちゃん、今日俺寄るとこあるから、途中までしか一緒に帰れないんだよね｣

そう言って眉を下げる伊藤くん。寄るとこって、もしかして

｢まさかヤクザのとこに乗り込みに行くんじゃないよね？｣

｢ま、まさか！俺がそんな馬鹿な事すると思う？｣

｢伊藤くん、嘘つくの下手なんだから無理しないでいいんだよ｣

｢...はい｣

やっぱりヤクザの所に行くんだ。それも1人で。そんなの、黙って行かせるわけにはいかない。

｢私も行く、役には立てないだろうけど、足しにはなるはず｣

｢それは駄目！危ないんだよ？何してくるか分かんないし...｣

｢それは伊藤くんにも言えることでしょ？｣

｢で、でも...Aちゃんに怪我させたら、俺みんなに怒られるし、それに危ない思いさせたくない｣

｢...じゃあ、中には入らず外で待ってる。もし銃声とか聞こえたら助けを呼びに行く。これでどう？｣

そう言えば伊藤くんは渋々頷く。交渉成立。

私と伊藤くんは家とは反対側に歩いていった。

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