平行線 (ページ28)

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新曲のダンスレッスンが始まる中
私と江口さんはダンスを見る。

ダンスを元に
動き易くかつ、華やかなデザインを考えて、
本格的にデザイン画を仕上げて行く。

相変わらず格好良い。

彼等のダンスは目を奪われる。

綺麗にアクロバットを決めていく彼等を見て

メンバーの要望も聞き入れながら紙に書き起こす。

渡「うわっ！」

休憩が入った時、
私の隣にきた翔太が声を上げる。

『なに！？』

渡「それ俺の？」

『え？あ、うん』

渡「めっちゃいい」

『本当？』

翔太の声にわらわらと集まり始めるみんな。

まだデザインを終えてないメンバーもいる中で、
全員が出来上がったものを順に称賛してくれる。

深「うへぇ、すっげ。希望通り」

『大丈夫だった？』

深「すげえ良いよ」

深「めちゃめちゃ好き」

その言葉に一瞬ドキッとする。

違う違う。

衣装が！だから。

『満足して貰えて嬉しい』

深「ねえ、俺の1番格好良くしてくれた？」

『みーんな格好良いです』

深「そういうんじゃなくてさあ」

『ふっかさんのも、格好良くしました』

深「ふはっ、ありがと。今回はそれでいっか」

1番なんて、
決められない。

どの衣装も好きで、どの衣装もお気に入りだから。

でもまあ、ふっかさんの衣装が1番好きかもしれないなんて言ってあげないけど。