平行線 (ページ21)

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さっきから自分のこのように喜んでくれる照くん。

そのことに嬉しくなって、
この人達の期待に応えないと、そう思った。

するとガタッと聞こえる物音。

照くんと私は物音がした方を見る。

『…え？』

時間的には夕方…、ほぼ夜。
照くんも私もその場から足を動かさない。

岩「…大丈夫大丈夫。見てくる」

照くんだって怖いの苦手なくせに。

物音がした方を確認しに行く後ろ姿が
少し格好良い。

岩「翔太！？」

渡「いや、あの…、ちがくて！」

翔太…？

『え、なんで隠れて…』

2人のところまで歩み寄ると、
姿を見せる翔太。

渡「出るタイミング失ったんだって！」

『盗み聞きですかー』

渡「いや、だから！」

『うそうそ、聞いてた？』

渡「ん、聞いた」

『そういうことです』

渡「夢叶って良かったじゃん。おめでとう」

『まーだ、気が早いよ』

渡「それでも一歩近付いただろ」

『うん、ありがとう』

岩「俺、先戻ってるわ」

『え？私も戻るよ。ふっかさんに用事もあるし…』

渡「ふっかに？」

『うん』

岩「じゃあ戻るか」

渡「俺も」

結局3人で楽屋に戻る。