平行線 (ページ16)

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ふっかさんの後に来たのは目黒さん。

目「お願いします」

一つ一つの言葉が丁寧で、礼儀が正しい。

これは目黒さんの印象。

言わずもがな顔が整っている長身の彼は、
スタイリストとしてもメイクとしても腕が鳴る。

180cm以上のモデル体型の人を
スタイリングするのはやっぱり楽しい。

今回のテーマからずれないように、
かつ目黒さんを引き立てる服…。

目黒さんと服を交互に見ながら唸る。

目「ぶはっ」

『…へ？』

目「いや、すみません。挨拶してから一回も話さないし、色んな表情するから面白くて」

『変な顔、してました？』

目「楽しそうな顔はしてました」

バレてる…。

『鋭いですね』

目「そうですかね？じゃあ鋭い繋がりで一つ聞いてもいいですか？」

『良いですよ』

目「しょっぴーの何なんですか？」

服を選んでいた私の手が止まる。

『…え？』

『いや、別になんでもないですよ？』

目「ふーん」

目「じゃあ岩本くんかな？」

『いやだから、誰の何でもありません！』

目「そうなんすねえ…」

私の言葉を信じてないことが
びっくりするくらい伝わってきて。

ヘアセットをしながらも
ずーっとクスクス笑う目黒さん。

目「怖がらせました？」

なんて笑いながら言ってくる始末。

こんなの、
ちょっとムッとするのも仕方なくない？

『別に？そんなことないですよ？』

目「ふはっ、可愛いっすね」

『からかってますよね？』

目「あー、バレちゃった」

『目黒さんって、ちょっと子供みたいですね』

目「ちょっとからかいたくなっちゃって。初対面なのにすみませんでした」

またちょっと不貞腐れた私の顔を見て、
吐き出す目黒さん。