PROLOGUE - 12 : side vil ページ6
Aが嵐のように去り、しん…と静まり返った鏡舎内。他の生徒が来ないのを確認し、アタシはルーク相手に掴みかかった。
ヴィル「ちょっとルーク!なんであのタイミングで急かすような事言ったのよ!?」
ルーク「ああ、ヴィル…すまない。彼女が急いでいた事をすっかり忘れていた様だったから、早急に伝えねばと思ってね」
なんとも申し訳なさそうな表情と大袈裟な手振りで言ってみせる。
ヴィル「アンタ、面白がってるでしょ」
そう言うと、ルークはぴたりと動きを止めた。
その表情と手振り…わざとらし過ぎるのよ。
ルーク「フフッ…そう見えるかい?」
ヴィル「はぁ…もういいわ」
申し訳無さそうな表情から一転し、不敵な笑みを浮かべ始めた彼にこれ以上構ってられず、早々に話を切り上げた。
スマホを取り出し、ある所へと電話をかける。
「もしもしマネージャー?直ぐにこっちへ送って欲しい物があるんだけど……」そう切り出し、要件だけを的確に伝え 電話を切った。
ヴィル「寮に戻るわよ」
ルークからの返事を聞くよりも早く、踵を返し 寮へと通じる鏡へと向かった。
ーーーーーーーーーー
自室に戻ると、頼んでいた荷物は既に届いていた。机に置かれていた小包を開け、シルクで包装された包みを取り出した。
ルーク「ヴィル。なんだい それは?」
部屋の入り口で待たせていたルークが、興味深そうに聞いてきた。
ヴィル「ビビディ・バビディ・ブティックのチェンジウェアよ」
ルーク「ビビディ・バビディ…─ああ!アクター御用達の魔法ショップだね」
ヴィル「そう。誰もが身に付けるだけで、女性らしく、男性らしく──…求めた体型を手に入れられる。輝石の国発のインナーブランド。
この間一緒にお仕事させてもらった時に、誰かお友達にあげてねって 女性用のチェンジウェアも何着かプレゼントされてたの。丁度良かったわ。
これを着てれば、取り敢えず見た目だけじゃ女だって解らないでしょう」
用意していた大きな木籠に袋を移す。すると、それを邪魔するかのように、ルークの手が上から被さってきた。
ルーク「キミがそこまであの子に手を掛けてやるなんて驚いたよ…随分優しいじゃないか。ああ…嫉妬の炎で、この身が焼き切れそうだ」
アンタが本当にアタシの行動に心底驚いているんだと、声のトーンで感じた。そしてそれと同じくらいに、アタシがあの人間に構う理由を知りたくて仕方ない…という探究心の鋭い眼差しが痛い位刺さり、溜め息が漏れた。
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ぬ(プロフ) - 平凡な人さん» コメントありがとうございます(*^^*)楽観的でちょっと抜けてる監督生ちゃんと、愛重めのユウくんの今後も楽しみにして頂けると嬉しいです! (2022年7月29日 18時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» お返事遅くなりすみません!こちらこそいつもありがとうございます!(ᵔᴥᵔ) (2022年7月29日 18時) (レス) @page36 id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - ぬ、主ちゃんがかわゆいッッ!!ユウくんが出てきたのにはびっくりしました!ヤンデレ…ですかね?いつもありがとうございます!次も楽しみに待っておきますね!更新お疲れ様です! (2022年7月29日 15時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お知らせ了解です!いつもありがとうございます! (2022年7月25日 21時) (レス) @page36 id: 1b74a0ce77 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» いつもありがとうございます(*^^*)コメント頂けてとても励みになります!来週も更新出来るように頑張ります! (2022年6月10日 17時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬま | 作成日時:2022年4月18日 10時