EPISODE1 - 3 ページ28
鏡舎の中へと入り、前を行くデュースは7つの区画がある内の一画へと向かった。ここは確か、エースが大釜の下敷きになった鏡の前─。
デュース「これがハーツラビュル寮への扉だ」
そこにあったのは、大きなルールブックと、トランプや薔薇の石彫に囲まれた不思議な鏡。自らの前に立つ者を誘うかの如く キラキラと輝きが満ちる鏡内に、躊躇わずに踏み込む。
いざ、ハーツラビュル寮へ!
━━━ ハーツラビュル寮 ━━━
『……うわぁ…!』
鏡から出た先…目の前に広がる光景に、思わず声が出た。
ハート型の大きな薔薇のアーチが出迎える、手入れされた薔薇の庭園。私達の後ろには生垣と薔薇の木で出来た巨大な迷路…
そして アーチの先には、綺麗な噴水の先に佇む、赤色の立派なお城の様な建物…
エース「ここがハーツラビュル。オレ達の寮」
立ち止まったままの私に、後から来たエースが声を掛けた。
『凄い…コレが寮!?お城みたい…』
グリム「ほわぁ〜!めっちゃ豪華だ!オレ様たちの寮と全然違うんだゾ!」
グリムもぴょんぴょんと飛び跳ねて興奮を露わにする。
本当の事だが、ウチの寮と比較するのは切なくなるからやめてほしい…
グリム「コッチは迷路だゾ!なんでこんなモンまであるんだ!?」
広大な寮地に興味津々なグリムは、ウロウロと落ち着きが無い。今迷路なんかに入られたら、入学早々大遅刻してしまう…
『コラ!迷子になるよ!』と、迷路の入り口に向かっていたグリムを即座に抱え上げる。
???「やばいやばい。急いで薔薇を赤く塗らないと」
『…あれ?中から声がする』
グリム「誰かいるんだゾ」
迷路の中から微かに声が聞こえる。声のする方に4人で顔を覗かせると、ひとりの青年が薔薇の木に向かって何かをしていた。
明るいオレンジ色の髪がよく目立ち、前髪をアップスタイルにしている…リーフグリーンの瞳と、右目の下にはエースやデュースと同じくトランプのマークが。
デュースが彼の方を見ながら、「あれは確か…ケイト・ダイヤモンド先輩だ」と呟いた。
ケイト「おっと危ない。塗り残しは首が飛ぶぞ♪」
ケイトは歌う様にそう言うと、軽快にペンを振り、白色の薔薇をどんどんと赤色に塗り替えてゆく。
『この光景、どこかで見たような気が……』
どこか既視感のあるその行為が気になり、体が前のめりになる。と、生垣に体が擦れてガサッと音が鳴ってしまった。
ケイト「……ん?君たちなにか用?」
こちらに気付いたケイトが声を掛けた。
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ぬ(プロフ) - 平凡な人さん» コメントありがとうございます(*^^*)楽観的でちょっと抜けてる監督生ちゃんと、愛重めのユウくんの今後も楽しみにして頂けると嬉しいです! (2022年7月29日 18時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» お返事遅くなりすみません!こちらこそいつもありがとうございます!(ᵔᴥᵔ) (2022年7月29日 18時) (レス) @page36 id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - ぬ、主ちゃんがかわゆいッッ!!ユウくんが出てきたのにはびっくりしました!ヤンデレ…ですかね?いつもありがとうございます!次も楽しみに待っておきますね!更新お疲れ様です! (2022年7月29日 15時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お知らせ了解です!いつもありがとうございます! (2022年7月25日 21時) (レス) @page36 id: 1b74a0ce77 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» いつもありがとうございます(*^^*)コメント頂けてとても励みになります!来週も更新出来るように頑張ります! (2022年6月10日 17時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬま | 作成日時:2022年4月18日 10時