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ウォヌside
クリーム色のお弁当箱をカゴに入れた彼女が、俺の見ていたマグカップの方に来てくれた。
「私も新しいマグ欲しいです」
そう言って色んなマグカップを手に取るAちゃん。
さっき、彼女に想いを伝えたのはただ、伝えたかったから。
向日葵の花言葉を大切そうに言うAちゃんの隣にいると、なんだか目の前にある向日葵が綺麗に見えた。
そうやって、彼女は1つ1つを大切にして自分の周りを素敵にしていくんだろうなと、思ったから。
俺も、そんなAちゃんを大事にしたい。
向日葵の花言葉は、本当にたくさんある。
『あなただけを見つめる』
俺の気持ちにピッタリの、花言葉。差し出すには十分な口実だった。
「…ウォヌさん？」
Aちゃんの声で我に返った。俺が彼女の方を見ると、イルカ柄のマグカップを持っていて口角が上がる。
「なんかぼーっとしてたから…大丈夫ですか？」
そうやっていつも、他人を気にかける君の優しさがまた俺の気持ちを広げてしまうことを多分彼女はずっと気づくことがない。
「大丈夫だよ。それよりイルカのマグ、かわいいな」
「これ可愛いですよね！2色あるから悩んでて…」
水色とピンクのマグカップ。Aちゃんがあんまりにも真剣に悩んでいるから、俺は水色のマグを手に取った。
「両方、買っといて。Aちゃんの家に遊びに行ったときに俺がどっちか使うから」
それをそのまま、カゴに入れる。耳を赤くしたAちゃんが俺とマグカップを2度見するからまた笑ってしまう。
「あ、遊びに来てくださるんですか？」
「ダメだった？」
ちょっと意地悪をしてそう聞いてみると、何度も首を横に振る彼女。
見たこと無かった、Aちゃんのそんな表情。
君に気持ちを伝えた時、驚きでいっぱいになった彼女を見て、俺はまだまだAちゃんの知らない部分があるんだなと知ることが出来た。
全部知るには、まだ時間がかかるかもしれないけど。
Aちゃんのこと全部、知りたいよ。
「…掃除しときます」
「はは、別にいいよいつも通りで」
Aちゃんも少しだけ、俺のことを知ってくれるといいな。
なんて思いながら、Aちゃんの持つカゴを奪って、動揺している彼女の手のひらをそっと握った。
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夏目(プロフ) - ハナさん» ハナさん、最後までコメントありがとうございます！ハナさんのコメントが更新の支えになっておりました！私も2人のお話を楽しく書かせて頂いていたので、寂しい気持ちです……いつも素敵なコメント、励まされるコメントをありがとうございました！ (2021年7月21日 13時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん！完結おめでとうございます！初めから終わりまで2人の間に流れる雰囲気と、流れる時間がとっても素敵で本当に大好きなお話でした！大好きすぎて完結が少し寂しく感じる程ですが、最後まで素敵なウォヌくんを書いてくださった夏目さんに本当に感謝しています^ ^ (2021年7月20日 13時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - naokiさん» naokiさん、長い間お付き合いいただきありがとうございました！今回の作品も愛情を持って読んでいただけてとても嬉しいです。素敵なコメントと応援ありがとうございます。更新の支えになります！これからも頑張ります！！ (2021年7月18日 17時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
naoki(プロフ) - 完結おめでとうございます。ゆったりと流れる二人の穏やかなお話はとても素敵で、大好きな作品です。誕生日での完結も相まって、夏目さんの作品とウォヌさんへの敬意や愛が伝わります。更新お疲れさまでした。大好きです！これからも応援してます。 (2021年7月17日 22時) (レス) id: c546018bd1 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - kaiさん» kaiさん、コメントしてくださりありがとうございます。私もいつも完結はとても寂しい気持ちになります…2人の空気感を大切に書いたので、そう言っていただけてとても嬉しいです！私もどこかでまた、2人のお話を書きたいと思っております！本当にありがとうございます。 (2021年7月17日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年3月4日 0時
