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ケバブを食べ終わったあと、花畑を見ながらいつもしている会話をする。最近できたパン屋さんのことや、バイト先のこと。
ウォヌさんの話に笑って彼のことを見ると、ウォヌさんも楽しそうに笑っていた。
「そろそろ歩きます？」
「うん。まだ行ってない方開拓するか」
彼の言葉に頷いて立ち上がる。カモミールの花畑とは反対方向に向かって歩く。途中で、ウォヌさんが私の白いブラウスの袖に触れた。
「はは、…かわいい」
呟いた言葉に、足が止まってしまう。
それなのに、ウォヌさんは私のそんな様子は全然気にしてないみたいに、気に入ったらしいブラウスの袖を引っ張ってくる。
「…え？」
「この服、似合ってる。可愛いよ」
…もしかしてウォヌさん、それ、朝会った時からずっと言おうと思ってたの？…それとも、今思っただけ？
そう思うと心臓がどうにかなりそうなのに、本人は私の髪の毛を撫でるだけ。
不器用なのか、器用なのか。
「ありがとうございます…でも、ちょっと急でビックリしました」
そう返せば、彼は何か考え込んだ後に、
「そう？俺はずっとそうやって考えてたけど」
なんて言われてしまって。彼は私の髪から手を離して、ポケットに手を入れる。
「今日の為に考えてくれたんだろ」
恥ずかしいけれど素直に頷くと、ウォヌさんは満面の笑みをたたえた。
本当は、ちょっとどころじゃない。ミンギュくんにも相談して朝まで悩んでいたから。
「ありがとう」
自分の顔が熱くなるのを感じながら、土の道を歩いていく。
太陽が近づいてきたみたいに暑くなってきたけれど、涼しい風があるおかげで外にいても辛くはない。
ウォヌさんが黙ってしまって、何でだろうなんて考えながら暫く歩いていると向日葵畑にたどり着いた。
まだ7月だからか、ほとんど咲いていない向日葵。
｢あ、あの向日葵だけ咲いてますね｣
｢ん？本当だ」
まだ寂しげのあるひまわり畑には当たり前だけれど他に人はいなくて。
1輪だけ咲いている小さめの向日葵の方へと向かう。
「Aちゃん」
名前を呼ばれて振り返ると、カメラを構えた彼が向日葵と一緒に私のことを撮った。
まだ咲いていない向日葵の中でもウォヌさんは絵になっていて、スマホを構えて彼のことを撮ってみる。
「あ、今撮ったな」
彼はそう言ってこちらへと歩いてきた。
「絵になってますよ。後でミンギュくんに送ります」
「…それはやめて」
また、風が吹いた。向日葵が揺れて、ぶつかって、音がする。
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夏目(プロフ) - ハナさん» ハナさん、最後までコメントありがとうございます！ハナさんのコメントが更新の支えになっておりました！私も2人のお話を楽しく書かせて頂いていたので、寂しい気持ちです……いつも素敵なコメント、励まされるコメントをありがとうございました！ (2021年7月21日 13時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん！完結おめでとうございます！初めから終わりまで2人の間に流れる雰囲気と、流れる時間がとっても素敵で本当に大好きなお話でした！大好きすぎて完結が少し寂しく感じる程ですが、最後まで素敵なウォヌくんを書いてくださった夏目さんに本当に感謝しています^ ^ (2021年7月20日 13時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - naokiさん» naokiさん、長い間お付き合いいただきありがとうございました！今回の作品も愛情を持って読んでいただけてとても嬉しいです。素敵なコメントと応援ありがとうございます。更新の支えになります！これからも頑張ります！！ (2021年7月18日 17時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
naoki(プロフ) - 完結おめでとうございます。ゆったりと流れる二人の穏やかなお話はとても素敵で、大好きな作品です。誕生日での完結も相まって、夏目さんの作品とウォヌさんへの敬意や愛が伝わります。更新お疲れさまでした。大好きです！これからも応援してます。 (2021年7月17日 22時) (レス) id: c546018bd1 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - kaiさん» kaiさん、コメントしてくださりありがとうございます。私もいつも完結はとても寂しい気持ちになります…2人の空気感を大切に書いたので、そう言っていただけてとても嬉しいです！私もどこかでまた、2人のお話を書きたいと思っております！本当にありがとうございます。 (2021年7月17日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年3月4日 0時
