紅一点ちゃんは男の子に間違えられた経験アリ。パート4！

ふたりだけ ページ19

《七夕のおはなし》




7月7日


それは、離れ離れの彦星と織姫が年に一度会える特別な日。



僕達にも同じような宿命があるようで…





「侑李ー、来たよー！」




天の川を渡り、僕の元に来たA。


太陽のような笑顔で手を頭の上でぶんぶんと振っている。


1年見ないうちにまた…可愛くなってた。




「あれ、侑李また背伸びた？」


「まぁ多少は」


「私が伸びてないだけなのかな」




どうして年1でしか会えないのか。

言いたいけど、口外してはならない決まりがあって、だから言えない。





「ねえ、侑李」


「ん？」


「私、すごく寂しかった。」




目を伏せ、俯きがちで呟いた。





「うん…僕も寂しかった」


「だからやっと会えて、今すっごく幸せ」





そう言ってぎゅっと僕の身体に抱きついてきた。



僕も背中に手をまわして抱きしめた。




「よし、充電完了。ありが…」


「まだ足りない」





離れかけたAの腕を引っ張った。



小さいとよく言われる僕の身体にもすっぽりと収まるA。




「A、」


「ど、どうしたの？」


「…僕がずっと守ってあげる」


「え？」




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