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また来てしまった。

目の前のAの家に

明かりはついていない。

まだ幼馴染くんとデートか。

あの時、

なんでそいつと一緒にいるんだって

言えなかった。

そんな俺はもう君の彼氏ではないのかもな。

窓の奥の暗闇を眺めていると

なんだかそのまま暗闇に

引きずり込まれそうな気がして

俺は逃げるようにその場を

立ち去ろうとした。

『さとみさん…』

そこには、Aと幼馴染くん。

居た堪れなくなった俺は

目を伏せ2人の横を早足で通り過ぎた。

いや、通り過ぎようとしたんだ。

でも俺の目の前には1本の腕が立ち塞がった。

その腕の主は、幼馴染くん。

広「お茶でも1杯どうですか?」

さ「えっ?」

広「何か用があったんじゃないんですか?」

招きこんで何するつもりだよ。

見せつけてやろうってか?

いいじゃねーか。乗ってやる。

さ「あっじゃあお願いしようかな?」

作り笑顔は得意だぞ?








広「どうぞ」

俺の前に湯呑みが出される。

番茶なんて変わってるな。

さ「ありがとうございます」

広「俺、少し2階にいるから、な?A」

『あっ、うん』

2人きりにしないでって顔してるぞ。

嫌われたもんだな。

まぁまだ会ってくれないよりかはマシか。

さ「A」

『はい、なんですか』

前までも敬語で話していたが、

その時とは違う、

冷たい壁が俺たちの間にある。

とても分厚い冷たい氷の壁。

壊すことは出来ないのに、

氷の壁の先にいる君はくっきりと見えるんだ。

さ「ごめん、謝って済むことではないけど」

どんな罵倒が返ってきてもいい。

そう思い、俺はギュッと目をつぶった。

『ごめんなさい』

彼女はそう言ったのだ。

電話でも聞いた言葉

ごめんなさい。

さ「どうして謝るの」

『ごめんなさい』

なにを聞いても、Aは謝るだけ。






俺はそっと抱きしめた。

さ「嫌なら振り払っていい」

けど、Aはただただ涙を流したあと

そっと俺を抱きしめ返した。

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ネコ日和。 - おもしろかった…!!!!! (2022年8月20日 14時) (レス) id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - イチゴさん» ありがとうございます!ほかの作品の方も是非見てください! (2019年6月4日 15時) (レス) id: 2420525602 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ - 文章のかき方がタイプすぎました!面白かったです! (2019年6月4日 4時) (レス) id: 78d13a8595 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - みるはさん» 最後まで見てくださりありがとうございました! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 2420525602 (このIDを非表示/違反報告)
みるは(プロフ) - いいお話でした!完結までお疲れ様でした!ほかの作品も頑張ってください! (2019年6月2日 23時) (レス) id: a6180f1bc4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2019年5月19日 23時

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