まほうの【さとみ】

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さ「ねぇー、さとみって呼んで？」

『ｺﾞﾎｯ』

むせてる、かわいい。

『それは…先輩なので…』

さ「先輩以前に恋人じゃん」

『そっそれはそうですけど…』

『あと…恥ずかしいですハードル高すぎます』

やばい、ニヤける。

今俺たちは中庭で2人だけの昼食。

まぁ、イチャイチャし放題ってこと。

俺が名前で呼んだら

めっちゃ喜んでたから

俺も呼んでもらいたいんだけど、

当の本人は恥ずかしがって言ってくれない。

『そんなことよりお昼食べましょ！』

さ「俺には結構重要なんだけど…」

なんてこぼしていると、

卵焼きを口につっこまれた。

俺のより甘い卵焼き。

さ「Aって甘いのが好きなんだ」

『えっあぁはい』

さ「覚えておくわ」

『普通、妻が作るんもんですからいいんです』

さ「えっ」

『えっ』

さ「そっか〜もう結婚まで考えてる感じか〜」

『えっあの』

Aは、恋愛経験がなさすぎて

色々、すっ飛ばしてしまうところがある。

慣れてないこの初々しさが

たまらなく愛おしくて

ニヤニヤが止まらない。

『なっなにニヤニヤしてるんですか』

さ「えーAのこと考えてた」

『そんな馬鹿なこと言ってると置いてきます』

そう言ってAは弁当を片付けだす。

さ「えっちょっとまって〜！？」

『はやくしてください、さとみくん』

うっわまじ、それはニヤける。

さ「んー、くん付けか〜100点満点！」

甘々だな俺。

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