安室さん。降谷零さんを捜してください！

４ 降谷side ページ6

今日は朝からポアロでのバイトの予定でいつもの様にポアロへ向かっていたら店前で1人の女性が毛利探偵事務所を見上げため息をついていた。

毛利さんの弟子を名乗っている以上安室透としては声をかける選択肢しか無かった。
まぁ、あからさまに残念そうな顔をしている人を放っておくわけにもいかないしな…。
毛利さんも確か昨日の夜から依頼で遠出し、日曜まで帰ってこなかったはずだ。


声をかけた女性はどこかで見た気がする…。
どこだったか思い出せないが向こうは初対面の様に接してきているから気のせいかもしれない。

先ほど独り言でアポを取らずに来た事から恐らく急ぎと思い毛利さんから依頼人をとる事になるが話を聞く事にした。

幸い最近は組織も大きな動きを起こさず公安の方も多忙ではあるが徹夜しなきゃいけないほどではない。小さな案件なら受けて時間が掛かりそうなら受けた後、安室透では力不足だったと言って毛利さんに託せば良い。元は毛利さんのお客だから問題ない。


彼女を店内へ案内し、俺は仕事もあるのでカウンターに座ってもらい。失礼を承知しながらカウンター越しで話を聞く。


依頼内容は人探し。それはいい。だが探す人物が良くない。
【降谷零】俺じゃないか。

彼女の友人の友人らしいが彼女との共通の友人がいるとは思えない。
外見的特徴を聞くとますます俺だった。

どこからか情報が漏れたのを恐れたが彼女の様子を見ると嘘をついてる感じではなく、本当に友人の友人なのだろう。

話を聞いていくうちに彼女の中の降谷像がまぁ酷かった。

・表情が変わらなず、変わる時は呆れ顔か人を嘲笑う時のみ。
・顔だけはいいだけのゴリラ

これは俺か？ただの同姓同名じゃないのか？
いや、俺だ。俺の事をこんな風に伝える奴らを俺は知っている。
だが彼女とどう接点があいつらにあるのかわからない。もしかしたら情報が漏れ彼女の作り話かもしれない。様子からはそうは感じられないが…。

降谷零に会ったらどうするかを訊いてみたら預かり物を渡したいと彼女は鞄から１枚の少し、いや、かなり汚れたメモ用紙を渡してきた。

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