安室さん。降谷零さんを捜してください！

４２ コナンside ページ49

Aさんが唐突に持ってきた手紙を見るとそれは工藤新一(俺)の両親からで。名前はイニシャルでしか書かれていないが、字は父さんや母さんので間違いはない。

俺は2人らあの女の子の身内が見つかったなんて一度も聞いたことがないし養子にしようなんて思っていた事も微塵も知らなかった。

手紙は季節の変わり目やAさんの中学の卒業式や高校の入学式、卒業式。成人式に店のオープンの日など息子である俺への連絡よりも頻繁にやりとりをしていた。


「これは…」

『さっきのコナン君の話でようやくどこの誰かがわかったけど…まさか工藤先生達だったなんて…。この人達はね私を助けてくれたの。さっきの透さんとの会話を聞いてたんなら私の友人の話も聞いてたんじゃない？』

「少し…」


彼女の友人は話に出てきた刑事4人だろう。俺の知ってる名前も出てきた。
そしてその彼らももう居ないのだという事もわかったけど…彼女を助けたのはその人達だと言っていたはず…


『私ね、自分の事死神かと思ってたの』

「へ？」

『家族にその友人達。私の大好きになった人達ってすぐに私を置いて逝っちゃうから…。最初に1人いなくなった時、すがる思いで始めて手紙に返事を書いたの。手紙を続けて3年もう1人、翌年もう1人とみんな居なくなってその事で人と関わりたくないって手紙にぶつけたら。即答でそれは無理だって返事がきたわ』


おかしそうに笑いながら話す彼女はどこか幼く思えた。


『その手紙がこれ。これ読んで確かに無理だなって思って…。その手紙の主やみんなを通して関わった人達。お店の常連さん、君達少年探偵団。きっと私はこれから先もっともっとたくさんの人と関わるでしょ？今いった大事な人達はこうして生きてる。だからその手紙の一文を私はいつでも実行する』

「失いたくないのなら手の届く範囲は君が守ればいい？」

『そ。私の知らないところで爆死されても交通事故にあわれても助けれない。でも、知ってる場所で、目の前で困ってる人、助けを求めてる人がいるなら私が守ればいい。誰かの大切な人。私が大切に思うかもれない人。何よりみんながやっていた事。私ができたらステキじゃない？今更職業は変えれないけどね』


たった一文でここまで前向きになれるのも凄い事だが、実行するのはもっと凄い。
だけどこの人は…確かに組織のコードネームを言い。バーボンと口にした時安室さんに会って慌てていた…。


「Aさんは…悪い奴らの仲間なの？」

続編移行のお知らせ→←４１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す