安室さん。降谷零さんを捜してください！

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今から約10年前。私は最愛の家族達を亡くした。


その日はとある遊園地のプレオープンの日。
父が雑誌の募集に応募したら当選したらしく私の4つ下の妹はその日を楽しみにしていた。

私はその日、学校の試験が近かったのと微熱があったため駄々をこねる妹とそれを引っ張る両親を見送った。それがみんなを見た最後だった。


『やば…調子乗って勉強しすぎた。さっきより頭痛い…お昼食べて薬飲んで少し寝よう』


今朝。みんなを見送った後、少しだけ勉強しようと机に向かったら気づいたらお昼。
今朝より増した頭痛と戦いながらお母さんが作ってくれていたお昼を食べる。

無音が寂しくてテレビをつける。流れてくるニュースをただボーっと見ていたら速報が入った。
遊園地で爆発事件が起こったらしい。

映像が遠巻きに映る。
なかなかの規模で爆発したらしく現場はパニックで逃げ惑う人たちが我先にと遊園地から出て行く様子がテレビに流れる。

私はこの遊園地を知っている。今朝、みんなが行った遊園地だ。

画面に映る人達を1人も逃さずに確認するけど知っている顔が映らない。
何度も何度も両親に電話をしても繋がらない。


『なんで‼お願い‼早く出てよ‼』


繋がらない電話に焦りと苛立ちで感情がグチャグチャで意識も朦朧としてきた。
興奮状態になり急激に熱が上がったのだろうか。

別のチャンネルのニュースでも確認しながら電話をかける事をやめない。
でもどのチャンネルも見慣れた顔が映る事はなく電話も繋がらないまま夜になった。


夕方には帰ると言っていた。でも事件の事で何か聞かれたりして帰りが遅くなってるだけ。
電話が繋がらないのは騒ぎで気づいていないのかどこかに落としてしまったのだけだろう。そうに違いない。


その考えは呆気なく潰された。


『何で帰ってこないの…』


みんなが帰って来ないまま朝を迎えた。
嫌な予感だけが頭をよぎる…そのたびにそんな事ないと否定する。

熱も上がり意識を保つのも限界に近くなった時家の電話が鳴った。


『お母さん…お父さん!…ひなた‼』


きっとみんなからの連絡だ‼

急に立った事により足がもつれたりしたけど気にせずに電話に飛びついた。


『お母さん‼』

〈…皇さんのお宅ですか？こちら＿＿警察です〉

『警…察？』

〈はい。…昨日の爆発テロの被害者の中に＿＿＿〉


嘘だ。夢だ。
みんながもういないなんて…。

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