１０年前の事件

Episode.23 ページ31

みんな…あの後何話したんだろう。


ちょっと気になるけど過ぎちゃったことはどうしようもない。

はあ…とため息をつきながら教室を出て、出入り口に向かう。ちなみに、今は最終授業が終わったところ。




「！？」

目立たない、談話室にみんながいた。何を話してるんだろう。

ちょっと聞いてみたいけど、そんなことするのは失礼だよね。でもちょっと聞きたい…う〜ん。迷ってる私に気づかず、若武たちは話し続ける。なんか、苛ついてるみたい。突然、大声が響いた。

「だから違うっつってんだろ！アーヤは絶対にそんなことしない！」

わ、私？


多くの塾生が何事かと談話室を見た。

直後、意味不明の若武の言葉にポカーン・・・・としている私に、黒木君が気づく。

サッと手を挙げて、おいで、と合図する。


ええっ、行くの？


この中を行くのは、つらいよぉ…


すると、黒木君が素早く上杉君に何かをささやく。上杉君がうなずき、メガネの向こうから差すような視線を塾生に向けた。

ううっ、怖すぎるよぉ。


みんなも同じことを思ったのか、たじたじとなって、帰っていった。

若武は、気づいてないみたい。


私は、仕方なくそばに寄って行った。

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