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You side
いつもはにぎやかな笑い声や体育館でのバスケットボールのバウンドする音、アルトホルンの音色の混ざる廊下には1つも音がなくて
そのかわり廊下の窓から指す月の光だけが道標だった
「転ばないように」
君の後ろにくっついて廊下を進むと階段に差し掛かかる
君は私の方に一瞬伸ばした手を引っ込めた
「ありがとう」
私も何も見なかったようにして感謝を述べる
「ねぇ、そういや何忘れたの」
君の3段後ろを歩きながら聞いてみる
「教室に、今日着てきた衣装をさ…返さなきゃだから」
そう君は言う
「あ、あれ衣装なんだ」
着替させる時間もないまま無我夢中で彼の手を引いた今日のことを思い出す
「撮影のまんまで俺も来ちゃったからね」
そう君は笑う
でも
少し間を開けて
「メンバーさ、背中を押してくれたから」
そう君は言った
君の後ろにいる私は君の顔は見えないけれど
でも
たぶん、君がちょっと照れくさそうにしていることは分かったんだ
そして君はそのまま言葉を続ける
「…やっぱり俺、ジャニーズ入ってよかったなって思うし、このメンバーに出会うために、頑張ってきてよかったなって思ったんだ」
その言葉に
その自分自身の“頑張り”を肯定している言葉に
心の底から言葉が漏れる
「よかった…」
いつかの屋上で、パフォーマンスにおいて、できない“焦燥感”や、そのできなさからくるメンバーへの“罪悪感”に潰れてしまいそうだった君を見ているからこそ、その言葉を聞けたことが嬉しかった
嬉しくて気が抜けたからか
「あっ」
階段のへりに足を引っかけて前につんのめってしまった
つまるところ
私は私の声の振り向いた君の胸に飛び込むようになってしまっていて
恐る恐る顔を上げる
「ねぇ、わざとですか」
そうまた君は言った
でも
その君の瞳は
前に応接間で私に見せた切なさではなく
柔らかな温かさをもっていて…
「ありがと、作間くんがいてくれてよかった」
素直にそんな言葉を口にした
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ポップコーン(プロフ) - しいきさん» 読んでくださってありがとうございます！私の伝えたかったことがしいきさんに伝わってくれて嬉しいで す！次の作品もまたしいきさんの心に刺さる作品になるように頑張りたくなりました！ありがとうございます！ (2019年7月3日 0時) (
レス) id: 087a930aec (このIDを非表示/違反報告)
しいき(プロフ) - 今日読み始めて一気読みしてしまいました。私は作間くん側の立場ですが自身の境遇と少し重ねちゃって、でも出てくる人物みんなが一生懸命に自分らしさや葛藤と戦う姿輝いていて素敵でした！またさわやかな青春のお話待ってます！ありがとうごじいました！ (2019年7月2日 19時) (レス) id: 199e39e6a9 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - みどりまんさん» お気遣いありがとうございます！そして、小説の言葉たちもうけとってくださってありがとうございます！“運命”つかみにいってほしいですね！ (2019年7月2日 18時) (レス) id: 087a930aec (このIDを非表示/違反報告)
みどりまん(プロフ) - 完結お疲れさまでした!めうさんの言葉一つ一つにいつも助けて頂いています。龍斗くんの運命も叶うといいですよね (2019年7月1日 18時) (レス) id: 62c1352e89 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - りおさん» 以前にもコメントをくださったり、そんなりおさんからのコメントなどのおかげで完結致しました。こちらこそありがとうございます。作間くんの“儚さ”をちゃんと描けて大満足です。次の作品でもお会い出来ること楽しみにしています。 (2019年7月1日 10時) (レス) id: 087a930aec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポップコーン | 作成日時：2019年6月24日 14時
