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Ryuto side
「先生と仲いいんだね」
そう言うのは
前の席に座っている学級委員長の三上さんで
彼女のまっすぐに射るような目に
何も言い返せなくなった俺は
「もう下校時刻だよ」
と答えになっていない返事をかえす
「作間くんもでしょ？」と少しだけ表情を和らげて言う
「あぁ」とだけ返事をすると
「私、水泳部だから、A先生に借りてたストップウォッチ返そうと思って」
と彼女は言葉を続ける
何も言えない俺は「そう」とだけ言ってこの場を離れようと彼女に会釈をしようとする
でも
その会釈をするタイミングもむなしく
「よく応接間、行くんだね」
と彼女は言う
「課題やってたから、それじゃ」
そう早口で答えて
彼女の側を通り過ぎようと足を進めた俺の足を再び止めたのは
「朝も？」
そう言う彼女の言葉で
彼女の方に振り向くと
俺が振り向くことを知っていたかのように目を合わせる
何も答えない俺に彼女は近づきながら言葉を続ける
「なんか意外
あんまりクラスにもなじもうとしない作間くんが先生と仲いいの」
「そうかな」
そう言って彼女との目線をずらす俺に
「何かあった時に疑われるのは先生なんじゃないかな」
そう
彼女は言葉を放つ
「え」
再び彼女に目線を戻すと
何も答えない俺に
彼女はあの射るような目で俺を見る
また彼女から目をそらそうとすると
彼女は少し息を吐いてからいつもの教室でのような笑顔で言う
「だって、作間くんは未成年なんだもん
しかも芸能活動だってしているわけだし
先生も、“先生”にはなれないんじゃないかな」
そう言う彼女の言葉には何一つ嘘はないのに
「勘違いされるようなことしない方がいいと思うよ」
そう首をかしげながら「また、明日」そう言って応接間とは反対の方向に歩き出した三上さんの言葉を分からないほど、
やっぱり
俺はバカになりきれない
今まで運命だのなんだのって
がむしゃらに先生の後をついて来たけど
でも独りよがりだって
突きつけられたものを突き返せるほどの強さは持っていないのに
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ポップコーン(プロフ) - しいきさん» 読んでくださってありがとうございます！私の伝えたかったことがしいきさんに伝わってくれて嬉しいで す！次の作品もまたしいきさんの心に刺さる作品になるように頑張りたくなりました！ありがとうございます！ (2019年7月3日 0時) (
レス) id: 087a930aec (このIDを非表示/違反報告)
しいき(プロフ) - 今日読み始めて一気読みしてしまいました。私は作間くん側の立場ですが自身の境遇と少し重ねちゃって、でも出てくる人物みんなが一生懸命に自分らしさや葛藤と戦う姿輝いていて素敵でした！またさわやかな青春のお話待ってます！ありがとうごじいました！ (2019年7月2日 19時) (レス) id: 199e39e6a9 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - みどりまんさん» お気遣いありがとうございます！そして、小説の言葉たちもうけとってくださってありがとうございます！“運命”つかみにいってほしいですね！ (2019年7月2日 18時) (レス) id: 087a930aec (このIDを非表示/違反報告)
みどりまん(プロフ) - 完結お疲れさまでした!めうさんの言葉一つ一つにいつも助けて頂いています。龍斗くんの運命も叶うといいですよね (2019年7月1日 18時) (レス) id: 62c1352e89 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - りおさん» 以前にもコメントをくださったり、そんなりおさんからのコメントなどのおかげで完結致しました。こちらこそありがとうございます。作間くんの“儚さ”をちゃんと描けて大満足です。次の作品でもお会い出来ること楽しみにしています。 (2019年7月1日 10時) (レス) id: 087a930aec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポップコーン | 作成日時：2019年6月24日 14時
