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すれ違う思い ページ38

『……ハァ』



昨日の夜、煉獄さんから抱き締められてからというものの胸が苦しい。
でも、この苦しさは嫌なものではなくて……。

ーーなんにせよ、初めて感じるこの胸の瘙痒感。


そしてそれは煉獄さんを目の前にしたり、視界の遠くに入れるだけでも強さを増した。




居間の机を拭きながら、今日何度目かとなる溜息をついた。





千「どうしたんですか?」


『わぁぁあ!!』



千「すみません!また驚かせてしまいました!」


『完全に気を抜いてたよー!』



お決まりになったこのやり取りに二人でクスクスと笑いあった。


千「ところで溜息をついていましたけど何かあったんですか?」


ーーこの原因不明の胸のつかえについて千寿郎君に話してみようかな……。


『あ、実は……なんか胸が苦しくて……ね……』


千「し!心臓が?!」


『うーん、心臓なのかなぁ……胸がグッてなって、おかしいの……』



千「それはいつからなのですか?!」


『……昨日?』



千「昨日?!大変だ!すぐに医者を呼んだ方がいい!!兄上に報告してきます!」


ダッ!!と、その場からいなくなろうとする千寿郎君の手を咄嗟に掴み急いで止めた。


『れ!煉獄さんには教えちゃだめ……!』

千「え?!」


なんでどうして?と不思議がりながら足を止めてキョトンとする千寿郎君。


『し、心配かけたくないし……』


千「でも!Aさんにもしものことがあったら……!!」


『いや……でも、煉獄さんを見ると余計に……』



千「…………?」




頬が熱を帯びて来たのを感じながら小さくゴニョニョと次の言葉を喋った。



『煉獄さんを見ると、余計に苦しくなるの……』


千「え。」



千寿郎君はそれを聞くと硬直してしまった。
ーーどうしたのだろう。




千「……コホン!」

口元に片手を当てて咳込み、私の方へと向かい直した。そして目をカッと開けて両手で私の手を握った。


『?!』





千「Aさん!それは“恋”です!!!」



『鯉?』



千「それは魚です!違います!Aさんは兄上に惚れたという事なんじゃないでしょうか!」



『!!!!!!!!!!』





噂には聞いていたが、まさかこの高鳴る胸のトキメキってのが恋ってやつなのか?!と、頭に雷が落ちた様な衝撃が走った。



今まで生きてきた中で異性に対してこんな感覚になったことはなかったからか、私は自分のこの感情が全くわからなかった……たぶんきっと、これが“恋”ってやつなんだ。

すれ違う思い□←絆



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シレン(プロフ) - Lastさん» ご指摘ありがとうございます!いやいや、お恥ずかしい!!すぐ治します!! (2020年11月1日 1時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - この作品いつも読んでます!!ただいま,覇輪刀が日輪等になってましたよ。これからも投稿頑張って下さい!! (2020年10月31日 23時) (レス) id: 7e2a5ee326 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます!くっつくまでの過程が大好物です!! (2020年10月31日 22時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
よる - 焦ったい…大好物です!!! (2020年10月31日 21時) (レス) id: 857d9d8983 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけるように頑張ります! (2020年10月30日 14時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シレン | 作者ホームページ:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16108143  
作成日時:2020年10月26日 3時

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