失態と始まり�� ページ3
ーー生首で話せる？まだ死んでない？もうすぐ死ぬ？
衝撃を受けていた私はその場にヘタリと座り込んでしまった。
そして、そいつは倒れていた首だけの状態で気味悪く飛び跳ね、ツボの置物のように私に向かい合うようにして頭だけで立った。
｢俺ら、鬼はなぁ、そんなもんで切っても殺せねぇんだよ｣
『ハァ……ハァ……鬼…………？』
イッヒッヒと気味悪い笑い声をあげながらピョンピョンと首だけで四方にジャンプし、私に語りかけてくる。
｢初めて見たのかｧ？そうだよなぁ？見たことあったら、お前ここにいねぇもんなぁ？イーッヒッヒッヒ｣
ーーー鬼？
空想の世界だけのことだと思っていた。
でも、これは夢じゃない。
だって、心も体も痛い。寒い。血なまぐさい。
ーーーもうダメだ。立ち上がる力が出ない。私も死ぬんだ。
｢どうやって食おうかなぁ？首切られたのが腹立つから、同じことしてやろぉかぁ？｣
『……。』
｢誰も助けにこねぇし、惨めに死ねよ♪｣
｢今、助けるぞ！！！｣
ーーー？？？
目を瞑って、迫り来る死を覚悟していると違う声がハッキリと聞こえた。
｢グエェ！！｣
キンッと鋭い音と共に鬼はグエッと小さく叫び、その直後に刀を鞘にしまう金属音が耳に響いた。
｢よし！もう大丈夫だ！｣
ーーぎゅっと目を瞑ってた数秒の出来事だった。
ゆっくりと目を開けると、声の人物がこちらに背中を向けて立っていた。
"滅"と記されてある黒い服がチラリと見え、肩から掛けている白い羽織の裾は炎を連想させた。金色と赫い毛先の髪の毛色はそれをさらに助長させている。
『？？？？』
その人の傍らには、先程の気味の悪い鬼の頭が真っ二つになって落ちて燃えた紙のように塵となって消えかけていた。
｢怪我はないか？｣
くるりと振り返るその人の顔がようやく見えた。
ーー強い目力に、はっきりとした眉。
口角をあげてハキハキとした口調。
歳は20歳前後だろうか。
『怪我は…してません…これは鬼の……血です……』
｢うむ！無事で何よりだ！｣
『鬼は死んだのですか？』
｢うむ！安心するといい！鬼は死んだ！｣
鬼の頭が落ちていたところに視線を戻すと、そこにあったものは跡形もなく消えていた。
『なんなの……？わけがわからない……。』
鬼は死んでいなくなっても、お母さんや弟たちが殺された現実を脳内で必死に否定しているかのように、頭は混乱状態になっていた。
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シレン(プロフ) - Lastさん» ご指摘ありがとうございます！いやいや、お恥ずかしい！！すぐ治します！！ (2020年11月1日 1時) (
レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - この作品いつも読んでます！！ただいま�，覇�輪刀が日輪等になってましたよ。これからも投稿頑張って下さい！！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 7e2a5ee326 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます！くっつくまでの過程が大好物です！！ (2020年10月31日 22時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
よる - 焦ったい…大好物です！！！ (2020年10月31日 21時) (レス) id: 857d9d8983 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シレン | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16108143
作成日時：2020年10月26日 3時
