早起きは三文の徳�� ページ20
翌朝、寝坊せずに今度はちゃんと起きることができた。煉獄家の朝食は何時頃に食べるのか千寿郎君から聞いていたので、それに間に合うように身支度をして台所へと向かった。
米を炊いている間にその他の副食に取り掛かっていると、千寿郎君が顔を出した。
千｢Aさん、おはようございます｣
『あ、おはよう！千寿郎君！』
千｢早かったんですね、すみません遅れてしまって…｣
『いやいや、いいんだよ！私の仕事なんだもん！ゆっくりしててよー』
と、野菜を切りながら千寿郎君との会話を楽しむ。
千｢そうはいきません！広い家ですから、分担しなければAさんの負担になってしまいます！｣
『たしかに広い家だよねぇ！』
千｢Aさんが、疲れて病に落ちたりここが嫌になって居なくなってほしくないんです…｣
『え？』
手を止めて千寿郎君を見ると、しゅんとして下を向き落ち込んでいる様子だった。
私は濡れている手を拭いて千寿郎君の側に行き、その両手をそっととった。
千｢…！｣
『居なくなったりなんかしないよ？まだ出会って間もないけれど、私はお兄さんも千寿郎君のことも大好きだから…』
そう本心を伝えると、千寿郎君はパァーっと柔らかく頬を染めて笑顔になった。
物心がつく前に母親が亡くなった寂しさを抱えているこの子の心を癒せることができたら……と、そう思わずにはいられなかった。
『じゃ、料理の続きやろうかな！卵焼きは何味がいい？』
千｢あ！甘いのがいいです！｣
煉獄side
Aが部屋から出た音がして俺も目が覚めた。昨日の任務は身体の負担も少なかっため疲労は残っていなかった。
朝食を食べたら千寿郎と稽古でもするかと部屋を後にする。
台所付近に差し掛かると、Aと千寿郎の会話がして扉に手をかけようとしたが、その手を止めてしまうような内容が聞こえた。
千寿郎はAに懐いていた。
今までの手伝いの者達はそれぞれの理由は違えども短期間で次々と入れ替わることが続いていた。
千寿郎はAもいずれは何かしらの理由でここから居なくなることを恐れていたのだ。
ずっといてくれとAに伝えること等は出来やしない。それが重荷になってしまうと思うと安易にそんな言葉はかけれない。
それでも、Aが千寿郎にかけてくれた言葉は俺の心の奥底に響いた内容だった。
杏｢…………。｣
そのまま、俺は悟られぬように縁側で朝食が出来るのを待つことにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1334人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シレン(プロフ) - Lastさん» ご指摘ありがとうございます！いやいや、お恥ずかしい！！すぐ治します！！ (2020年11月1日 1時) (
レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - この作品いつも読んでます！！ただいま�，覇�輪刀が日輪等になってましたよ。これからも投稿頑張って下さい！！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 7e2a5ee326 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます！くっつくまでの過程が大好物です！！ (2020年10月31日 22時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
よる - 焦ったい…大好物です！！！ (2020年10月31日 21時) (レス) id: 857d9d8983 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シレン | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16108143
作成日時：2020年10月26日 3時
