失態と、始まり�� ページ1
ーー凍て刺すような空気。
息を吐くたびに、それがその都度結晶化するような寒さの夜だった。
余りにもの寒さで今夜は朝まで寝れたものではない、と家からさほど離れてない距離の薪置き場まで薪を追加しに家を出ていた先だった。
ちゃんと昼間に薪を切らさないようにと支度をするべきだったのだが、夕方まで町にお使いをしに出かけていたこともあり疲れて居眠りをしてしまった。
家には、母親と4つになる妹と12歳の弟がいた。そんな小さな子達に寒い思いはさせたくないという私に、母は｢夜に1人は危ない｣と引き止めたのだが『すぐ戻る。』と告げて家を出た。
それに、冬の夜空は綺麗だし 空気の澄んだ夜は星がとてつもなく綺麗なのだ。1人のこんな時間を過ごすのも私の生活の中での楽しみのひとつだった。
ーー薪をソリにある程度積んで空を見上げる。
見渡す限り広がる星の海
キラキラと輝くそれに、自然と笑顔になる。
『……そろそろ戻らなきゃ。』
家に帰ろうと1歩踏み出したその時だった。
｢キャーーーーーー！！！｣
『え？』
家の方角から確かに叫び声が聞こえた。
ーー今の声は、お母さん？
母のそんな叫び声など聞いた事がない私は耳を疑った。それと同時に心臓の動悸が治まらない。
小刻みに震え出す手で薪を並べている場所に立て掛けていた斧を持ち、私は家へと急いだ。
走れば数分で着くような距離なのに、深雪のせいで中々前に進まない。
普段なら息も切れないような距離なのに、息が上手く吸えない。……肺が痛い。……頭の血の気が引く。
ーーどうか聞き間違い、勘違いであってほしい。
『ハァ……ハァ……ハァ……』
肩で息をしながら、ようやく家の前に着いた。
寝床に置いていた提灯の明かりを元に、ゆっくりと玄関から中に入っていくとそこには信じ難い光景が広がっていた。
クチャ……クチャ……クチャ……
｢イヒヒヒ……うめえなｧ……子供の肉は……｣
『…………だ……れ……？』
｢んァ？？｣
『なに……してる……の……』
｢なんだぁ？まだいたのかｱ？……イヒヒヒ……若ェ女じゃねぇか。……待ってろ。こいつ食ったら次はお前ダ。｣
ニタニタと笑うそいつの口の周りや手は、赤い血で真っ赤だった。
いや、口や手だけじゃない。
当たり1面が、ーーー血の海だ。
ーーーその血は誰の？？
お前の持っている手は、誰の……？
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シレン(プロフ) - Lastさん» ご指摘ありがとうございます！いやいや、お恥ずかしい！！すぐ治します！！ (2020年11月1日 1時) (
レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - この作品いつも読んでます！！ただいま�，覇�輪刀が日輪等になってましたよ。これからも投稿頑張って下さい！！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 7e2a5ee326 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます！くっつくまでの過程が大好物です！！ (2020年10月31日 22時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
よる - 焦ったい…大好物です！！！ (2020年10月31日 21時) (レス) id: 857d9d8983 (このIDを非表示/違反報告)
シレン(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 5c1c19fa9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シレン | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16108143
作成日時：2020年10月26日 3時
