こんにちは、恋歌。 Ⅱ (ページ31)

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今年就職したばかりの彼は最近毎日忙しそう。

一方の私は就職先も決まり、後は卒論くらいでバイト以外は暇なことも多い。

何となく彼に連絡するのは申し訳なくて大学で時間を潰すこともしばしば。

こんな時、たった1つの歳の差がとても大きく感じてしまう。

「Aー、卒論何処までいった？」

『だいたいゴール見えたかなって辺り』

「早っ！うち全然やねんけど」

『まぁ去年の健くん見てたから計画立てて早めにやってるし』

「羨ましいなー。うちは向こうも卒論に追われててさぁ、昨日も進めやなあかんって言ってんのに家来て邪魔ばっかりすんねん。」

そこからは愚痴か惚気かわからない話に適当に相槌を打っていた。

…私はしばらく会えてすらいないんですけど。

帰宅後、夕飯を食べてボーッとスマホを見つめる。

健くんが社会人になってからはメッセージのやり取りが目に見えて減っている。

こんなにも寂しく感じるのは、昼間に惚気話なんて聞いたからだろうか。

…少しだけ、偶然でも会えないかな。

会えなくても健くんの姿を見られるだけでも良い。

一度思い始めるとじっとしていられず、スマホだけを手に家を飛び出した。

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