こんにちは、恋歌。 Ⅱ (ページ26)

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彼は不思議な人だ。

明日には何とかなるかもと、焦る気持ちも落ち着かせてくれる空気の持ち主。

そんな滅多に怒らない彼が唯一怒る事。

「遅刻ですよー」

『ちょっとやから許してください！』

「ちょっとでも遅れるなら連絡してください」

『はい…』

「待ってる間、何かあったらって心配やねんから」

…まぁ優しさから来ているんだけど。

帰りはいつも自宅まで送ってくれる。

友人から送り狼を心配されたこともあるが、全くそんな気配がないところも彼らしい。

夜は少しずつ肌寒いことが増えてきて、それを言い訳に引っ付いてみると「大丈夫？」と心配してくれる。

「これ上から羽織っとき」

『良くん寒ないん？』

「Aがくっついてくれるから暑いぐらいやで」

『じゃあもっとくっつこ』

「可愛いなぁ」

家に着いても「風邪ひかんようにな」と声をかけてくれる。

何をしても彼の優しさに包まれている。

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