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数日後───
「今回補習はないけど50点切った奴らは中間気を付けろよー」
テストを返却しながら先生が声をかける。
私は全教科思っていたよりも高得点が取れていたのでほっと一息。
…何とか今回は無駄な犠牲にならずに済んだ…。
放課後、部活に行く友人を見送った後に少し教室で読書することにした。
あの日から自分の決断を信じたくて幼少期に読んでいた本を持ち歩いていた。
英語の楽しさを教えてくれた本。
やはり自分が物語に溶けていくようなこの感覚が好きだ。
「あれ、Aちゃん？」
ふと廊下から声をかけられて目をやると小島くん。
「何してんの？」
『ちょっと本読んでから帰ろうと思って』
「え、全部英語やん！」
『うん、この本を読んでから英語に興味持って。それでもっと英語を勉強したいなって思うようになってん。」
「へぇ。小さい頃から読んでたん？」
『うーん、原作は小学生の頃からかな。小さい頃は日本語に訳されたのを読んでたから。』
「じゃあそんな前から夢持ってたんや。」
『その頃はもっとぼんやりやったよ。高校生になってからちゃんと考え始めたって感じ。』
「いや、未だにぼんやりな俺からすれば十分早い！」
『まぁタイミングは人それぞれやからね笑。それよりこの間はごめん。』
「ん？」
『映画…』
「あぁ！ギリギリに声かけた俺が悪いしテスト前やし全然全然！」
「また声かけさせて」と笑う彼は何と心臓に悪いものか。
物語のように素直に恋愛に溺れられたらどれだけ良いか。
夢に向かってひたむきに羽ばたけることがどれだけ素敵か。
どちらの私も自信がなさそうに俯いてしまうのは何故なのか。
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楽曲は悩んでいる女の子がテーマなのでここで終わるのですが、ハッピーエンドにしたい欲とこじけん登場しなさすぎということで続きます。
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作者名：透 | 作成日時：2022年12月5日 4時
