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終電で最寄り駅に着く。
友人達との食事は楽しくて時間を忘れられるから有難い。
今の私は少しでも誰かの存在を感じていたかった。
近くのコンビニで明日の朝飯を買い自宅へ帰る。
いつも通り、変わらない日常。
それなのに鍵を差し込む瞬間、急に現実に引き戻されたような感覚に陥る。
部屋を見渡すと昨日まで当然のように存在していたものがない。
彼が置いていた数枚の洋服も、私が『兼用にしよ！』とお願いして借りていた帽子もない。
喧嘩をした訳でもない。
他に好きな人が出来たわけでもない。
ただただ彼の話を聞き、引き止める事ができなかった。
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作者名：透 | 作成日時：2022年12月5日 4時
