ヨーコさんと不機嫌な年の暮れ ページ43
マサカズが福岡に
ヨーコさんとナツミ。ミサキを連れて遊びに来た年の暮れ
私は
"今お付き合いをしている_優輝さんです。"
そんな前置きで優輝とマサカズに紹介した
『はじめまして。_ 優輝と申します』
突然の兄への紹介
それでも優輝は卒なく丁寧にそう挨拶をした
それから
ナツミとミサキはうちで飼っている猫を追いかけ回して
マサカズと優輝は2人で早速の飲みニケーションを図って
それから
私はヨーコさんと夕飯のためにキッチンに立った
_聴いてもいいかな_
唐揚げの揚がり具合を見ながらふとヨーコさんがそう言って
_健二郎くんの事は本当にもういいの?_
そう聞いた夕暮れ。
それはたしかまだ17:00を廻ったくらいの
"夕方" だけど
冬の窓から見える空はすっかりもう夜の色をしていて
キッチンは少しだけ肌寒くて
だから私にはヨーコさんの質問がやけにハッキリ届いたのを憶えてる
「…もういいから今を優輝といるつもりなんだけど」
正直に答えたつもりだったけど
何故か不機嫌に答えてるみたいな声になった
どちらかといえば気の強い.芯が通った
そんなヨーコさんは何度か "本当?" って
そう繰り返したけど
私が聞いた
_なんでそんな事聞くの?_
そんな逆の質問には何も云わずにただ。
小さく寂しそうな顔で笑っただけだった
そんなだからキッチンの私とヨーコさんの間には
少しだけ無口な時間が流れた
"分かっていないよヨーコさんは…"って。
"私がどんな思いで優輝といると思ってるの?"って。
そう本当は問い質したかった
戻れないの分かってるくせに…って。
そう泣いて掴みかかりたかった
けど
『あー♡唐揚げ〜♡』
そうナツミがつまみ喰いして
それを真似した妹のミサキがいて
『お!美味そう』そうマサカズがキッチンから出来た夕飯をテーブルに運んで
『何か手伝います』優輝が立ち上がった中で
本当の意味でなんにも分かっていなかったのは
……悲劇のヒロインぶっていた私…だった……
お正月までの何日間かの間を
最初のやりとりでこんな風に思ってしまった私は
後々.
後悔してしまうことも
"そんな事しなきゃよかった"と思わせられてしまう事も知らず
ただただ
心のフタを無理矢理に開けようとした
そんなヨーコさんの事を
不機嫌なままに思って対応してしまっていた
それがヨーコさんと過ごす最後の年の暮れになるなんて
…1つたりとも思わなかった……
154人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» あと。楽しんでくれて本当にありがとう…この作品は私にとってSpecialなので褒めてもらえるとホッとするよ (2019年8月28日 18時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» いひひ。最後はどーなるのかなぁ(笑)…女の子が夢中で健二郎を好きなコトと情景がいい塩梅に描けてたら嬉しいな…☆ (2019年8月28日 17時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なんかね、恋愛に純粋だった頃を思い出すね。にゃりんぐらいおばちゃまになってから読むと心が洗われるね(笑) 日記っぽく書いてるから余計かな〜。終わりは日記調じゃない方がよりリアルかも! なーんて偉そうに言ってみたけど、つまりは楽しく読んでます(爆) (2019年8月28日 17時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» にゃーちゃんだからこそ聴きたい!この作品どんな? (2019年8月28日 12時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なるほどね〜♪等身大のお話だからリアルなんだね!!それを踏まえてもう一度読みなおそーっと(笑) (2019年8月28日 12時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梨香 | 作成日時:2019年8月27日 11時