"愛してる"を繰り返した部屋 ページ24
「…健二…郎…？」
名前を呼ぶと健二郎はなんにも言わないで
ぐっと背中に廻した腕の力を強めた
私のドキドキと。
健二郎の胸から伝わるドキドキと
…同じ意味を持っているような気がして
だから私のドキドキはもっともっとドキドキと高鳴った
この今.流れそうな涙は
いったいどんな意味を持つ涙…なんだろう…
ギュッと抱き締められと胸がギュッと苦しいのは…どうしてなんだろう
答えは簡単だった
それは "愛してる" 心が叫んでいるから_
「…苦しいよ…」
そう云いながらも離して欲しくも。
そして離れたくも…なかった
静かな静かな部屋の中…
聴こえるのは私の心音と健二郎の心音…
2つの心の音。そして時計の針の音だけ
『もう少し…もう少しだけこうさせといて……』
苦しげに呟く健二郎の声すら私には愛しくて
私は泣かないと決めながらもやっぱり涙が流れた
…愛しくて.愛しくて
健二郎が欲しくてたまらなかった…
私にはもうこの人だけなんだ…って思った
そしてやがて重ねたキスは
今までのどれよりも切なくて
今までのどれよりも苦しくて
でも。今までのどれよりも愛しくて
だから私と健二郎は当たり前のように体を重ねた
あの頃より広いベッドと
あの頃より柔らかいブランケットと
そしてあの頃より硬い健二郎の筋肉と
あの頃より強い…愛してる…..の想い
どこまでもどこまでも重ねたかった
壊されてもいい……本気で思った……
そしてまた気づいたら
『なに泣いてんねん…』 やっぱり私は泣いてた
ねぇ健二郎?…愛してる…
……うん。
…健二郎…愛してる…
……うん。
……どうしよう.何度伝えても足りない…
…ははっ.なら何べんも伝えて
そうやって繰り返しながら私は
健二郎の下。泣いたり笑ったりして
健二郎から出てくる "愛してる" を待った
だけど健二郎は愛してるなんて言わなかった
言わないかわりに伝えてくれた
それはキスで
それは体温で
それから繋がる熱と…律動で……
だからいいや。って思った
言ってもらえなくてもいいや。って思った
…ちゃんと其れは言葉じゃなくても伝わってくるから……
"三代目"
そんな肩書はカタチもなく消えてた
其処にいたのは生身の私と生身の健二郎だけ
そんな時間で私は
甘い甘い
蕩けるようなこの時間はもう永遠だと思った
…もう決して健二郎の傍を離れない…って思った
でも。23歳_
私はまだ
自分が思っているほど大人では…なかった……
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梨香(プロフ) - にゃりんさん» あと。楽しんでくれて本当にありがとう…この作品は私にとってSpecialなので褒めてもらえるとホッとするよ (2019年8月28日 18時) (
レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» いひひ。最後はどーなるのかなぁ（笑）…女の子が夢中で健二郎を好きなコトと情景がいい塩梅に描けてたら嬉しいな…☆ (2019年8月28日 17時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なんかね、恋愛に純粋だった頃を思い出すね。にゃりんぐらいおばちゃまになってから読むと心が洗われるね(笑) 日記っぽく書いてるから余計かな〜。終わりは日記調じゃない方がよりリアルかも！ なーんて偉そうに言ってみたけど、つまりは楽しく読んでます(爆) (2019年8月28日 17時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» にゃーちゃんだからこそ聴きたい！この作品どんな？ (2019年8月28日 12時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なるほどね〜♪等身大のお話だからリアルなんだね！！それを踏まえてもう一度読みなおそーっと(笑) (2019年8月28日 12時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨香 | 作成日時：2019年8月27日 11時
