大人のフリをした23歳 ページ23
「風呂…どないする?」
簡単に作った夕飯を片付けてた私に健二郎が問いかける20:00過ぎ
楽しくて
時間なんてあっという間に過ぎてて
でも。私は此処に泊まるなんて選択肢は持ってなかったから
「…ホテルに戻ってから入ろっかな」なんて答えてた
健二郎は "そか。" って云うだけで
だから
私は改めて
"やっぱりここには泊まれないんだな…" なんて。
最初から分かっていたことを痛感する
私が逢いにきたから逢ってくれて
逢ってくれたからこうして過ごせたけど
それでも
それでも何かが変わった訳…じゃない…
…彼女に戻れた訳じゃないんだよ…私は…
楽しくて
嬉しくて
幸せで忘れてたけど
私と健二郎の仲が修復した訳じゃないんだよ…
だから。
一気に寂しくなった
一気に近くで笑ってる健二郎が遠く感じた
一気に…離れたくなった…
傍に居ても遠いのが哀しくて
泣き出してしまう前に離れたかった
涙はホテルに戻ってからにしよう…
健二郎の前では最後まで笑っていよう…
健二郎の前で泣いたらきっと健二郎.困らせちゃうから…
だから
「…そろそろホテル戻ろっかな…」
ぽつんと小さく呟いた
健二郎を困らせるだけの最後はどうしてもイヤな私は
荷物を手にして
"なんか急に逢いにきてごめん"って
"会えて嬉しかった"って
必死に笑って誤魔化した
いつか…
いつかなんかもう多分ないんだけど
"いつか…また逢おう"
そう笑うのは最後の強がり
「…これ返しておかなきゃだね…」
最後にポーチの中から出した
あの頃返せなかったままのスペアキー
"もう今返したって意味ないかな?"
笑いながら差し伸ばした手のひら
手のひらの上で鈍色に輝く小さな鍵
震えてた
指先がカタカタ震えてた
それは其処に "最後" しか見えなかったから
健二郎がこの鍵を受け取ってしまったら
もう。
私と健二郎の繋がりのすべてが "過去" に変わってしまうから…
…逢えて本当に良かった…
…迎えに来てくれてありがとう…
…これからもずっと私は健二郎の事…
言いたいこと
言わなきゃいけないこと
たくさんあるのに何1つも言えないのは
多分。今も本当は健二郎から離れたくないから…
だけど
『…いらん…』 健二郎はそうぽつんと云うだけで受け取ってくれなかったから私はもう
突き返されたんだ…と思った
…違ってた
気づくと私はすっぽりと収まるように健二郎の胸の中にいて
そして
健二郎の体も小さく小さく震えてた
"愛してる"を繰り返した部屋→←愛せ始めた三代目 _23歳_
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梨香(プロフ) - にゃりんさん» あと。楽しんでくれて本当にありがとう…この作品は私にとってSpecialなので褒めてもらえるとホッとするよ (2019年8月28日 18時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» いひひ。最後はどーなるのかなぁ(笑)…女の子が夢中で健二郎を好きなコトと情景がいい塩梅に描けてたら嬉しいな…☆ (2019年8月28日 17時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なんかね、恋愛に純粋だった頃を思い出すね。にゃりんぐらいおばちゃまになってから読むと心が洗われるね(笑) 日記っぽく書いてるから余計かな〜。終わりは日記調じゃない方がよりリアルかも! なーんて偉そうに言ってみたけど、つまりは楽しく読んでます(爆) (2019年8月28日 17時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - にゃりんさん» にゃーちゃんだからこそ聴きたい!この作品どんな? (2019年8月28日 12時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
にゃりん(プロフ) - 梨香さん» なるほどね〜♪等身大のお話だからリアルなんだね!!それを踏まえてもう一度読みなおそーっと(笑) (2019年8月28日 12時) (レス) id: 71dba2f90e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨香 | 作成日時:2019年8月27日 11時