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『ちょっと、待て！』
駆け出して
抱きしめようと足が動き始める私に
思わぬ抑制を掛ける登坂センセイの声
「何っっ！」
駆け出したくて
抱きつきたくて堪らない私には
ありえないくらいの抑制＿
『お前、ここ学校。で、ここ廊下って忘れてんだろ…』
………忘れてた…
幸いに人は通ってないし
向こうの渡り廊下の人達も
"登坂センセイと誰かが話してる" くらいにしか見えてない…と思う
『おい！四季！』
不意に登坂センセイが
おい！だけ…でもなくて
私の名字…でもなくて
"名前" を呼ぶのにドキンと心が音を立てる
やばい音を立てた…気がする…
思ったと同時にプッと登坂センセイは吹き出して
それから
ぐいっと渡り廊下から見えなくて、
廊下から死角になっている細い隙間に私の腕を引いた
……やばい、
ありえないくらいに近い……
体と…体がくっついて
身動き取れないくらいの隙間
ドラマとか映画とかじゃ多分
もっと素敵なシーンなんだろうけど
…これじゃなんかカッコつかないな…って思う
けど
『もっかい聞けよ…、』
登坂センセイは少しだけ艶めいた声で、
『センセイには生徒って…ってくだり、もっかい聞けよ今度はちゃんと答えるから』 なんて言うから
私は導かれるみたいに。
『やっぱセンセイには生徒ってアウト…なの…?』 ってもう一度だけ問い掛けてみた
答えはもう…見えてるのに……
開け放した窓からまた桜が1枚舞い込んでくる
そのタイミングで
『他のセンセイの事なんか知らないけど俺はアリだわ…てか、もう見つけてる……』
登坂センセイは答えて
また桜が触れるみたいな甘いキスをした
キーンコーンカーンコーン♬♬
学校が閉まってしまう音がして
登坂センセイはチッって舌打ちしながら
"もう時間かよ…" って言って立ち上がるから
だから私は その腕を引っ張って
"違うよ"＿そう笑ってみせた
「春はすべての始まりって言うじゃん
だから
きっと
私と登坂センセイ…
………臣センセイは始まったばかりなんだよ…」
受験生だった私は高校3年生
アルバイト教師だった臣センセイは教師
そして
"恋人" になった春＿
何処までも穏やかで
いつまでも続けばいいな…なんて
甘く優しい陽射しに包まれていた
『気を付けて帰れよ』
「センセイみたいな事言わないでよ」
『だってセンセイだもん俺』
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梨香(プロフ) - atokさん» こんにちは！コメントありがとうございます！春夏秋冬４つの話を考えた時、隆ちゃんは切な系にしよう！と考えていたのでそんなお言葉本当に嬉しいです！これからもよろしくお願い致します！！ (2019年10月20日 11時) (
レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
atok(プロフ) - せつない冬の恋物語が暖かい涙のラスト良かったです。車を運転する隆二さんの腕。ずっと見ていたい！ (2019年10月20日 3時) (レス) id: b336124363 (このIDを非表示/違反報告)
sachi(プロフ) - 梨香さん» 梨香ちゃん、こんにちは。う~うん、全然いいよ。泣きようなお話になるかな。梨香ちゃんのペースで楽しんで書いてね♪。よろしくね(*^-^*)☆ (2019年10月18日 12時) (レス) id: c2612b7e58 (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - sachiさん» さち！おはよう！返信おそくなってごめんね。新作はぼちぼちと進めていく予定！健二郎ファンのさちには悲しいお話になるかもだけど、これからもよろしくね！ (2019年10月18日 9時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)
sachi(プロフ) - 梨香さん» えへっ(*´∀｀)梨香ちゃんの書くお話ほんと好きだし☆新作、健ちゃん！ありがとう( ；∀；)嬉しい♪またワクワクして読んでいくね！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 1986c7b750 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨香 | 作成日時：2019年9月28日 0時
