【オリジナル】碧天の戦場 (ページ11)

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第９話ページ11

この人は私が五年前に仲良くなった、ポップ
投獄されてからも少し顔を見せてくれた人だ
歳はうちより５歳ぐらい違うんではないかと思ってる

あ「…で、わざわざ挨拶にどうも」

ポップ「牢に入ってちょこちょこ見てたけどな…
外はどうだ、慣れたか？」

あ「…どうだろうね、５年前とだいぶ違うし
街だって、名前だっていろいろ変わってる…
そうだ、聞きたいんだけどさ」

ポップ「は？何がだ？」

お菓子を片手に話を聞くようで
その態勢に少しムカついて足をけった
するとなにすんだよいきなり！と足をさする
聞きたかったこと、それは、私の兄に対することだった

ポップ「はぁ？お前の兄？
あぁ、モックスさんなら、突撃隊の第２班に所属してる
リーダーじゃないから安心しろ
投獄されてた時、兄は顔出したのか？」

あ「…ううん、ないね
だから、兄がどういう人だったのかをまるで覚えてないんだよ」

ポップ「確かにな…俺もあの人と仲良く話せるってわけじゃないし
なんで行かなかったんだろうな？
まさか、妹が嫌いってわけじゃないよな…」

あ「…どうだろう、５年前…
兄とは少し会話するぐらいで兄も兄で話したがらない人だったから…
兄弟としては遠かったかも」

記憶にある兄は優しく笑っているイメージなんてなかった
いつも少し話せばその場から消えてしまう
会話したとしても業務的な話だけ
家族の話も世間話さえもやり取りしていない
だから、きっと、私がポップと友人であることも知らないだろう
そんな兄は突撃隊の第２班の隊員…
近いうちに任務で一緒になる可能性がある
私が出てきたという話はきっと兄なら知ってるはずだからだ

あ「ポップ、うちがいるのは特別隊第４班なんだけど…
今どこに配属されてるの？」

ポップ「突撃隊の第３班だ
かといって、同じ突撃隊とはあまり任務で一緒にならないからな
そこは知っといてくれよ
前より腕が落ちたからな俺」

あ「ん？なんかしたっけ？」

ポップ「おいおい…投獄されてた時話しただろ！
ったく…２年前だな
任務に失敗して右腕持ってかれたんだよ
イカれた野郎に腕バッサリ切られてよ…
そいつ、闇ルートで日本刀買って俺でやりやがってさ…
おかげで今は義手なんだよ…わかったか？」

あ「なるほどね、確かそんな話聞いたことある気がする」

ポップ「だぁから！俺は話してただろうが！」

あ「いちいち話なんか覚えてないよ
馬鹿」

ポップ「いって！人の足を蹴るなっつの！」