deadend ページ6
NO side
(meguro story)
彼は、自分の人生に意味などないと思っていた
その事にやっと気がついたのだ
ある出来事をきっかけにして__
彼は幼少期から、
とても賢かった
勉強ができる、
テストでいい点がとれる、
そういった意味の"賢い"はもちろん
"人生"という問題に対して、
幼いながらに向き合うことができた
そのことで自分は周りの人たちとは違う、
とても特別な人間だと、
そう信じていた
もちろん自分を特別に思うことは大切なことだ
しかし彼は、自分を特別だと思うことを勘違いしていた
周りの人を全員、"馬鹿"だと思っていたのだ
本当はそうでないのに
彼は賢いことだけが、
特別になるたった一つの手段だと思っていた
そうすれば、立派な人間になれると信じていた
彼は既に立派だったのかもしれない
しかし、
皆を馬鹿にする人が好かれる訳がなかった
いつしか、彼の周りには誰もいなくなった
そこで問題だったのは、
彼はその状況を
"ちょうどいい"
そう思ったことだった
何せ彼は周りの馬鹿な人が嫌いだったのだから
しかし、
彼は本当は嫌いだったのではなく、
考えることが出来なかったのだ
誰のことも
彼を理解しようとする者もいたかもしれない
だがそんな者がいることさえも考えなかった彼は
そのまま大人になっていった
自分の世界に閉じ籠り、
ただ賢くなるためだけに時間を使った
そうすればいつか幸せになれる、
そう思っていた

270人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Nana* | 作成日時:2021年1月11日 23時