第130話 ノリノリ ページ40
パイナッポーside
さぁ、張り切って幻術を仕掛けましょう！
こんな大規模な幻術を展開する機会なんて滅多にありませんから、わくわくしますね。
「おチビさんはヴァリアーに、クロームはボンゴレに声をかけてください。ああ、くれぐれも動揺を露わにしそうな人には言わないように」
「むさ苦しい雷変態オヤジとかー、アホのロン毛隊長とかー、笹川了平のことですねー」
「……あ、雪那たちには何も言わない方がいいと思う。何よりも骸さんにキレそうだから」
「エッ」
よ、よーし、いきますよ！
「聞かなかったことにしたびょん」
「どーせ後でシメられるのにね」
サァアァ…
僕、おチビさん、クロームを中心として微かな霧が沸き起こる。
まずは桔梗のデータを頂きますよ。
「くっ……増援ですか」
おやおや。思ったよりも敵を追いつめているようだ。
「ぬっ！！」
「笹川殿！！」
滞空している笹川了平が左肩を押さえる。
「なるほど、超活性の反動ですね。このまま貴方との戦闘を続けていれば危なかった……ですが、貴方はもう戦えない。そちらの方々は増殖するスピノサウルスが相手になりましょう」
「う゛お゛ぉい！！ 言ってくれるじゃねぇかぁ、カスがぁ！！」
「いくぜ、恭弥！」
「僕に命令しないで。それにアレは僕が咬み殺す」
「ははっ、雲雀らしいのな！」
余裕を装っている桔梗ですが、笹川了平から受けたダメージは小さくないことが見て取れる。
あと一撃ほど、致命傷を与えれば倒せるでしょうね。
さぁ、術士の神髄をご覧に入れましょう。
「お喋りは、そこまでですよ」
桔梗が手を下から上へ振り、なんらかの合図をしたと同時。
「！！？」
「さようなら」
雲雀恭弥の左腕が地中から顔を出したスピノサウルスに喰い千切られる。
ほぅ…
「土の中から！！」
「地中を使ってはならぬルールなどありましたか？」
「恭弥！！」
「ヒバリ！！ 腕が……！！」
間髪入れず増殖したスピノサウルスが彼に迫るも、山本武の鋭い斬撃がスピノサウルスたちの首を吹き飛ばす。
戦闘経験を積んだことで、リング争奪戦の頃よりも技に磨きがかかっていますね。
「時雨蒼燕流、攻式八の型――――篠突く雨」
上の攻撃はなんなく防げましたが、
「がっ！」
「また下から、かよっ！」
やはり次の一手は地中からの攻撃ですね。
「師匠、次いきましょー、ささっ」
「……あまり好き勝手すると暗殺されますよ」
「フランが一番ノリノリで楽しんでるね」
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
