第121話 ボコボコにしちゃうよ☆ ページ31
爆音と衝撃があたりにこだまする中、再びミドゥーザの指示が飛ぶ。
「もっかい電撃をお見舞いしちゃえ、雷クラゲ！！」
バリバリッ……ドドォン！！！
氷竜に喰いつかれた反抗期野郎に雷が直撃する。
「ぐぁあ……ッ！！！」
いやぁ、一度お梅ちゃんのアレを喰らったことあるけど、滅茶苦茶痛いんだよなぁ。
【珍しくビビってたよな】
まぁ、アレは誰でもそーなるって。
心なしか生き生きと輝いているお梅ちゃんを一振りし、氷竜を消して鞘に納める。
ありがとう、お疲れさん。
バトルスーツの内側に手を差し入れ、冷たい感触が手に渡るとミドゥーザに投げつける。
『ミドゥーザ！！』
「よっ！！」
ミドゥーザはミニアルジェ特性の氷クナイをくるくる回し、動くこともままならない反抗期野郎に馬乗りになる。
そうして“氷の目”に振り下ろす。
「黒兎！！ アンタは兄さんの仇だ！！！ 例えアンタが記憶に覚えていなくたって、この僕が覚えている！！！ 報いを受けて反省しろヨ！！！！」
パキンッ……パキンッ……
「ぎゃああぁああ！！！！」
虚しい音だ…
いつの間にかお梅ちゃんから離れていたミニアルジェが慰めるようにして頬を舐める。
【……よくやったな、ユキ。それにミドゥーザも。弟が迷惑をかけた】
うん、まったくだ。
『さぁて。腕が鳴るなァ』
「気絶するにはまだ早いヨ〜？」
【エッ？？？ 今キレ―に戦いに決着ついたよな？？ 一件落着って雰囲気だったよな？？】
なに言ってんの？ 本番はこれからなんだけど。
ボコボコにしてやるって言ったの聞いてなかったの？
【ちょッ、まッ……！！】
「安心していいヨ！ 殺したりしないし、拷問とかもするつもりないし。ダイジョブ、ダイジョブ！ “氷の目”がなくたって一般人より体が頑丈なのに変わりないから、ちょっとくらい平気だヨ〜、痛くないヨ〜」
『知ってるかミドゥーザ、ただのグーパンよりも中指と人差し指を外側に出した……そうそう、そんな拳の方が殺傷力が高いんだぜ。狙うなら鎖骨かな、アレはまじで痛い』
「ほほ〜う。イイこと聞いちゃったなァ〜？」
「ヒッ……！！？？」
『あとは急所を一発ヤっとく？』
「！！？！」
「…………ユキ様、それはチョット……」
あ、反抗期野郎が白目剥いて口から泡ふいてる。
【やっ、やめたげてェ！！！！！ なんつーこと言うんだおまえは！！ 悪魔かッ！！】
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
