転生したら三浦ハルの姉に!? モブだから静かにひっそり大暴れするよ! part11 (ページ16)

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第107話　小さな案内役ページ16

パイナッポーside

「師匠、森へ向かうって言いますけどー、どの辺のことなんですかー？あてもなく彷徨うなんて、ミーは御免ですー」
「まぁ、暗くなってきてるしね…」

千種の言う通り、すでに日は暮れ、夜の帳(とばり)は降りている。

「クフフ。問題ありません、きっともうすぐ小さな案内役さんが来てくれますよ」
「ねぇ骸ちゃん、やっぱり野宿なワケ？」
「ええ。すみませんね、M(エム)・M(エム)」
「まぁ、骸ちゃんとユキの頼みだから、今回だけは我慢するわよ」

彼女は師匠を慕っていますからね、助かります。
それにしても…

ドォオンッ！！！

「あの銀の炎はユキのらろ！？相変わらずスゲー炎量だびょん！」
「呑気ですねー犬ニーサン。ユキ姉さんは雪のアルコバレーノですよー？空気中に漂っちゃってるノンなんとかで苦しんでるんですからー、戦いが長引くのはまずいでしょー」
「ノントゥリニセッテですよ、おチビさん」

クフフフ！師匠のように、僕が弟子を取った暁にはその子どもを師匠と同じように「おチビさん」と呼んでみたかったのです。
ですから、実はフランのことを「おチビさん」と呼ぶのはとっても気分がいいのです！
こほん。さて、おチビさんが言うことはもっともです。
あまり無理をしていないといいのですが…

ガサッ…

「「「！」」」

来ましたね。
草むらからひょっこり顔を出したのは手乗りサイズの小さな狼でした。

「狼…」
「骸しゃん！こいつって……！」
「ええ。雪の炎が灯っていることからして、師匠の匣兵器で間違いないでしょう」

おチビさんが捕まえようとしていますが…

「いてっ」
「なーにやってんのよ、フラン。小さくても狼よ？懐くわけないじゃない」
「ちぇー」

クフフ。きっと師匠にしか懐かないのでしょうね。

◇◇◇

へなちょこ馬side

オレの固有技を真六弔花が知っているというユキの忠告を受けて戦闘に突入し、途中で並中を壊されたことに怒った恭弥にデイジーの相手をぶん取られつつ勝利したオレたち。
ロマーリオや草壁に負傷の手当をしてもらい、日暮れになる前の時分だった。

「おーい！ディーノさんにヒバリー！」
「う゛お゛ぉい！！生きてたかぁ、跳ね馬ぁ！！」
「山本！スクアーロ！！」

無事だったんだな。
ユキが心配するからな、よかったぜ。
つーか、勝手に殺すなっての。
いくら昔オレがユキのことを好きだったからってよぉ……ったく。