第90話 規格外 ページ45
鮫side
レーグに何が出来るのかは知らねぇが、ユキは大空を除く6属性と雪の炎を溢れんばかりに注いでいたからなぁ……ま、本番あるのみだ。
「いくぜぇ、レーグ、アーロ！」
「グエッ」
パカリと大きく開けた口から吹雪を噴き出す。
なるほど、目くらましだなぁ。
「目くらましがなんだぁ？」
嵐の炎でそれを打ち消すマグマ野郎に、吹雪のなか肉薄する。
そして吹雪に紛れたアーロが背後から奴の体の一部を掠める。
「ちっ」
雨の特性は“鎮静”。
「左手は封じさせてもらったぜぇ！！」
レーグを肩に乗せたまま、怒涛の剣戟をお見舞いする。
しぶとい奴だぁ。
「……さっきから技を使わねぇな。まーた三浦ユキの入れ知恵かよ」
「残念だったなぁ゛？」
「いんや？ そーでもねーぜ」
「あ゛あ？」
下からすくい上げた剣が掴まれ、あまりの力にヒビが入り……折れた。
「！！」
「白蘭様は三浦ユキより一枚上手だぜ。技だけじゃなく、あんたの癖まで教えてくださったから、なぁ！！」
そのままへし折られた刀に奴は嵐の炎を流し、剣腕へと振りかざす。
チッ、近すぎて避けられねぇ……！
バチバチッ…
「あ？」
肩にいるレーグから雷の炎の気配がし、視界に緑に発光する光が入り込む。
「グッ……エェーー！！」
ま、まじかぁ…。
こいつ、雷の炎の塊をマグマ野郎に飛ばしやがった。
至近距離でまともに食らった奴は壁に突っ込んでいやがる。
「グエッ、グエッ」
お、お゛う。
有幻覚かぁ？ 霧の炎をかすかに纏った刀を渡される。
……こんな匣兵器なんざ見たことねぇぞぉ。
さすがユキの相棒……規格外だなぁ。
「ぐふっ……バーロー、やってくれるじゃねーか」
「グエッ」
オレの癖まで知ってるとは……ストーカーかよ。
◇◇◇
雪那side
全員で母さんとハル姉の言う川平不動産屋へ走り出し、アジト出口のカモフラージュとしてあった廃工場を抜けた瞬間、凄まじい地響きが起こった。
「伏せろ！！」
オレは雪華を、真美姉はユニを、クローム姉はハル姉と京子姉の上に覆いかぶさるようにして伏せる。
なんだ……この爆発。
「あいつらどんな戦いをしてやがんだ！ なにがゆっくり静かに戦いてぇだ！！」
「獄寺サン、クソ親父が今まで静かだったことがあったか？」
軽口を叩きながら雪華を立たせたその時、通信が入った。
《う゛お゛ぉい！！》
「お父さん！」
《ハァ……ゼェ……逃げろぉ…》
「えっ…？」
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霽月(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます。さ、最初から…もはや最初の頃のは書き直したいレベルでお恥ずかしい限りです。最後まで面白いものを書けるよう、頑張ります！ (2019年3月11日 19時) (
レス) id: b6246d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - こんな遅くにすみません！２日かけて最初からユニちゃんと未来で再会！って感じの所まで読みました！面白かったです！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年3月7日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2018年4月17日 22時
