第86話 お見通し ページ41
ことさら誰の耳にも入らぬよう、可愛い子どもたちを抱きしめて囁く。
『これからすぐにでも敵が来ることだろう……迎撃準備が早いに越したことはない。頼んだ』
「？ う、うんっ！」
「ああ、任せろ！」
そしてハル。
私にぎゅっとしがみつく可愛い妹をきつく抱きしめ返す。
『もうすぐ平和な過去へ帰れる……それまでの辛抱だ』
「はいっ……！」
『たくさん辛い思いをさせてごめんね、ハル…………逃げる時には川平不動産に駆け込みなさい。そしてもし、その時に転んでしまったら……そいつにこの手紙を渡すこと』
「わ、わかりましたっ」
ふっふっふっふ……未来ならそこにいることはわかってるんだぞチェッカーぁああ！！！
凍らせられないことがほんっっっとうに残念だ。
チッ、黒兎のせいで……！
【やっぱりユキってシリアス破壊神だよな。一気にしんみりした空気が霧散したぜ】
最後は……スクアーロだ。
「ん゛？ どぉしたぁ？」
不思議そうにしながらもこちらへ来るスクアーロ。
彼には私のもうひとりの相棒を預ける。
【それって…】
大空を除く6属性と雪の炎をたーっくさん込めて…
『開匣、
「グエッ」
そ、レーグだよ！
【ぎゃあああ！！ 爬虫類ぃいい！！】
何が駄目なんだか……こーんなに可愛いのに。
『レーグを預かっていて欲しいの。邪魔にはならないって保証するから……ね？』
固有技が攻略されていることは伝えたけれど、それでもまだ保険が足りない。
それをレーグに補ってもらうためにも、ここは連れて行ってもらわないと……！
「んな不安そうな顔すんなあ゛。ユキの頼みだからな、コイツは預かっておくぜぇ！」
『ありがとう、スクアーロ』
レーグ、頼んだよ。
未来に来てからの付き合いであるレーグは力強く頷いてくれた。
伝言はこれで全部だ……よし、行くか。
『！』
ぐい、と力強く腕を引かれ、スクアーロの胸元に飛び込む。
んなっ！？ ち、近すぎなんだけどっ！？
【ヒュ〜♪】
冷やかすなうさ公！！
【うさ公って言うな！！】
「無理すんなよぉ゛」
…………スクアーロにはなんでもお見通しなのかな？
嬉しさ、切なさ、いろんな感情で歪んだ顔を隠すようにしてスクアーロに抱きつく。
すると痛いぐらいに強く抱きしめ返された。
『うん……いってきます！！』
貴方を好きになれて、本当に良かった。
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霽月(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます。さ、最初から…もはや最初の頃のは書き直したいレベルでお恥ずかしい限りです。最後まで面白いものを書けるよう、頑張ります！ (2019年3月11日 19時) (
レス) id: b6246d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - こんな遅くにすみません！２日かけて最初からユニちゃんと未来で再会！って感じの所まで読みました！面白かったです！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年3月7日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2018年4月17日 22時
