第66話 嫌な相手 ページ21
「恐ろしく原始的な攻撃だ。残念ながら、あなたがたは邪魔なのですよ」
桔梗の声と共に投げつけられるのは雲の炎を纏った植物。
しかし、それは防御用シールドによって簡単に防がれる。
瓜を胸に抱え、獄寺の運転するバイクの後ろに腰かけたユキは桔梗を鼻で笑う。
『だぁから。言ったでしょ、未来がわかるのは何もユニや白蘭だけじゃないってね』
「おいユキ、挑発してねーで攻撃しろ！」
『命令すんな♡ やっちゃえ瓜』
ニギャーッ！
哀れ、自身の匣アニマルに顔中をひっかかれた獄寺は胡乱な目をしている。
「なんで俺の言いう事は聞かないでユキの言う事は聞くんだ…」
桔梗は迷う。
前方に走る基地ユニットを破壊しようにも、後ろでは幻覚ではあるが三浦ユキが目を光らせている……どちらを相手にすべきか。
デイジーを守るバリアは保って2分がおおよそのリミット。
『キミは迷っている。基地を破壊すべきか、それとも幻覚とはいえ一筋縄ではかわせない私を消すべきか。しかし迷っている間にもワカメヘア―を守るバリアのタイムリミットが近づいている』
「本当に……嫌な相手だ、貴女は」
眉根を寄せ、渋面をつくった桔梗はユキたちに背を向け、基地への攻撃を優先することにした。
『隼人くん、ボム1本パス』
「ほらよ」
『先に飛ばして陽動よろしく』
「ちっ、しくじるなよ！」
幻覚ユキは雲の炎によって爆弾を増殖させ、それぞれに雨の炎を纏わせ桔梗に投擲した。
ドドドッ……ドドドドドドッ！！
「どんだけ増やしたんだよ！！ むしろユキのが陽動の量だろっ！」
『ついでに大空の炎もポ〜イ』
「はぁ！？」
XANXUSが憤怒の炎を投げるが如く、手のひらに溜めた大空の炎を投げて見せたユキに獄寺は口が閉じられない。
鎮静の雨の中に放り込まれた大空の炎により、空間を満たす鎮静の炎がさらに調和されて桔梗に襲い掛かる。
『…武くんがバリアを壊すまであと少しだ。じきにトリカブトを倒した綱吉くんがこちらに引き返してくる』
鈍い動きしかとれない桔梗の目には徐々に距離を取っていく基地ユニットが映る。
「くっ…」
至極ゆっくりとした動作で手から植物を飛ばし、ユニットの車輪部分を破壊しようとするも、
シュルルルッ！
体に纏わりつく蔓がそれを許さない。
そして辺りに地響きの重い音が響き渡り、ユキとミドゥーザが壊したビル群にあたたかな光が差し込む。
《異空間を脱出した》
「十代目…！！」
第67話 人の悪口を言ってはいけません！→←第65話 小賢しい女
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霽月(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます。さ、最初から…もはや最初の頃のは書き直したいレベルでお恥ずかしい限りです。最後まで面白いものを書けるよう、頑張ります！ (2019年3月11日 19時) (
レス) id: b6246d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - こんな遅くにすみません！２日かけて最初からユニちゃんと未来で再会！って感じの所まで読みました！面白かったです！これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年3月7日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2018年4月17日 22時
