こんなヒロインは嫌だ。【オリジナル】

. ページ10

.





｢……金目銀目なんて、やっぱりあの子は奇跡の子だわ。どこかお金持ちの家に行ったほうが……｣



｢よせよ、あんな子だって俺たちの子なんだから｣




｢だって気持ち悪いじゃない。オッドアイだなんて。私たち二人とも黒い瞳で、親戚探しても青や黄色の子なんていないのに｣



｢黄色くらいならごまかせるんじゃないのか？安心しろよ、なにか言われたって最悪養子を貰ったって言えばいいんだから……｣




小学校に上がる前、夜中トイレに行きたくなって起きたとき、両親がしていた会話だ。10年近く経った今でも、この会話だけは鮮明に覚えている。



あんな子。気持ち悪い。養子に出す。



ずっと優しかった両親が、笑って手を繋いでくれた間にも、そんなことを考えていたなんて、怖かった。



それからは、極力余計なことを話さずに、両親の言うことをよく聞くいい子になろうと思った。わりと早いうちから、変わった目を隠すようにカラーコンタクトもするようになった。


両親に嫌われないように、捨てられないように。




そっけない。いい子ぶってる。ぼっち。


昔から、何度も知り合いに言われてきた。けど、きっとこのコンタクトを外しても、私の真実をさらけ出しても。




気味悪がられるだけだ。隠していかなくちゃ。







.






更新遅れてすみませんでした。

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す