【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ20)

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目的44:ONLY ALIVE ページ20

音も気配も消して城の中を進む。
人の目、監視カメラの死角を潜り抜け、上へ上へ。

次第にミルフィオーレの構成員たちも騒がしくなってくる。

「北側でボンゴレと思われる敵影と交戦！」
「1人は見失い、もう1人は第一防御網を突破！！」
「現在1階大広間にて突破した1人と交戦中です！援護を要請します！！」

フランのことだろう。
作戦通り下で暴れてくれているらしい。
私も苦戦することなく指揮官のいる部屋の天井裏へたどり着く。
普段なら敵の変装をして紛れたり等で侵入の痕跡は付けないが、今回はそんな遠慮はいらない。
天井裏から奇襲して仕留める。

背中側の腰のベルトに沿って収めてる短刀を抜く。
私が人を殺すための武器。それに大きな武器など不要だった。

飛び出すタイミングを図りつつ聞き耳を立てる。

「では侵入者は黒髪アンバーの女だと？」
「はい、白蘭様のおっしゃってた雲仙Aだと思われます！」
「絶対に生捕にしろ！逃すな！
この城の全勢力を導入してでも捉えろ！！」

何かとんでもない話をしているが興奮していて、話の流れ的にこれ以上情報も得れそうにない。

ここが絶好のタイミングだった。

通気口を蹴破り、自由落下の際に天井を蹴ってその指揮官のもとへ跳び、その一足飛びで首をはねる。

「なっ」「敵しゅ」「構え」「連ら」「うわぁぁ」

その指揮官の首が床に落ちる前に部屋にいた残りも首を飛ばしていく。
誰1人として最後まで言葉を発することなく転がっていく。

すぐに部屋を離脱し、影に身を潜めて無線で連絡を取る。

「こちら雲仙A、指揮官の首取りました」
「ゔぉぉぉい！でかした！こちらも奇襲に入る！」
「はいはーい、了解ですー」

と、この連絡だけで無線連絡は終わるかと思われた。

「こちらフラン、敵がAネーサン見るなり生捕って言ってましたー、一応の情報共有ですー」
「……こちらでも同様の会話は確認済み、間違い無いかと」

理由不明の'雲仙Aの生捕"に不気味さを覚えつつも無線先のスクさんは舌打ちし、

「作戦は変わらず続行する！Aは細心の注意を払え！！」
「了解」

ここで本当に無線は切れた。
その後ヴァリアーの残りの部隊が侵入し、この古城は10分程度で占拠することに成功する。

しかしヴァリアーは精鋭揃いとはいえ隊員数は32名。
ここから四方八方を圧倒的兵力のミルフィオーレに囲まれることになる。
それも作戦通りではあるものの、窮地であることに変わりはない。