【REBORN】最弱幹部は息を潜める 2nd Bullet (ページ17)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:35,386 hit

目的41:約束ページ17

1週間とはあっという間に過ぎるもので。恭弥君が日本に帰る日となった。

「僕相手にここまで渡り合えたら十分だよ」
「……それは何より」

と彼からお墨付きをもらって言葉を返したのはいいのだが。

「何、寂しいの？」
「……だってこの恭弥君とはもう会えないんでしょ？」

否定はしない。
また彼とは会えるけど、それはこの1週間一緒にいた彼じゃない。
同じ時代の彼に会えるのは嬉しいのだが、それとこれとは話が別なわけで。

「1つ、面白いことを教えてあげる」

彼は優しく笑って言った。

「僕は君に一目惚れだったよ」
「な゛っ？！？！」

さらっととんでもない発言を投下する。
いや、手紙とか他の幹部の発言から何となく付き合ってたり何なりはあるのかと察してはいたけど！
でも面と向かって言われるのは当然想定してない！

「雲のリング争奪戦で前に立って綺麗だと思った。
大空戦で君のプライドの在り方をかっこいいと思った。
屋上での君の笑顔を見て可愛いと思った。
……強くて弱い君を守りたいと思ってる」

突然の告白。
キャパオーバーで今どんな顔してるかはわからない。
むしろ変な声が出てる気がする。それでも嬉しくないわけなかった。

この時代の私は幸せ者じゃんと呟き、私も想いを少し吐いた。

「最初は死神みたいだな、戦闘狂だなって思ってた。
でも屋上で話して……もっと一緒にいたいな、とは思って……」

無理です。限界です。顔から火が出そう。たぶんもう湯気は出てる。
彼は優しく笑いながら私の頭を軽く撫で、ボソリと言った。

「まぁこの時代の君にもこのことは言ったことないんだけどね」
「……うっそでしょ」

もう君には会えないからいいかなと思って、と小さい声で言った。
全然大人の余裕とかじゃなかった。やっぱり10年経っても彼は彼だった。

「……じゃあ全部終わってこの時代の私に会ったら言ってあげて。嬉しくないわけないから」
「……君も言ってくれるならいいよ」

僕だって喜ばないわけないから、と。
……そうきたか。まぁそうくるよね。

「……わかった、言うか、ら」

と消えそうな声で肯定した。
彼もうん、と返す。

「じゃあ、お別れかな」

名残惜しいがこれからお互いに命を賭けるような戦いが始まる。
いつまでも一緒にいるわけにはいかない。

「生きるんだよ。
君が死んだら悲しむ奴がいること、忘れないで」

彼は頬に口付けを落とす。照れるけど最後は笑って別れたい。

「うん、またね！」

10年後にまた会いましょう。