【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ8)

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目的07:本性ページ8

「私の勝ちだね、これでいい？」

とリングを見せるもチェルベッロはポカンとしていた。
続けて声をかけようとしたそのとき、
鋭い殺気とともに雲雀君が突っ込んできた。

「咬み殺す」

一撃一撃が速くて重い。
数撃剣で受けて確信する。私には手に余ると。
それどころか手がつけられないと。
彼がここまでバトルジャンキーなのは想定外だ。

私はわざと右側に隙をつくり、そこをすかさず攻撃される。
その瞬間に後ろに跳んでダメージを抑えつつ距離を取ることに成功した。
まぁだいぶ痛いけど。

「ねぇチェルベッロ、仕事してくれる？」

3門並んだガトリングを壊し、真ん中を足場にする。
私の言葉にはっと我に帰った彼女は

「く、雲のリングはジャックのものとなりましたので、この勝負の勝者はジャックとします」

無事私の勝利を宣言した。
私はそのまま足場から降りてクラウドグラウンドを離脱した。

あっけない幕切れにグラウンドは静まり返る。

「そんなのありかよ……」

誰かがぼそりと呟いた。

「……当然だ」
「そう言って頂けて何よりです、ボス」
「まぁこの子一言も嘘ついてないしね」

数言交わすと、チェルベッロが声を上げる。

「勝負はお互い3勝ずつとなりましたので、引き続き争奪戦を行います。明日はいよいよ最終戦。大空のリング戦です」

「では明晩、並中にみなさんお集まりください」

それだけ言い残し、チェルベッロは姿を消した。

「しししっ、アイツらの間抜け面見れて気分ソーカイ♪
俺らもさっさと帰ろうぜ」

ベルに促され私もその場を後にしようとした。

「待って！！」

沢田綱吉君に呼び止められるまでは。

「……先に帰っててください」

ボスと幹部達は私をちらりと見てその場から離れた。

「なんの御用でしょう？」

私は彼らに向き直る。
もう仮面はないから自然体で。

「え、あ、えっと……君はなんでヴァリアーにいるの？」

予想外の質問に今度はこちらが唖然とした。

「いや、なんか他の人たちと雰囲気が違うというか何というか……1人だけ俺たちとそこまで敵対してないような気がしたというか……」

これがボンゴレの血のなせる技かぁ、と素直に感心した。
沢田君にはジャックでのブラフも
そこまで通用してなかったし、
改めてこれがボスにないものかと思ってしまった。

「………………へぇ」

私の中で少し彼に興味が湧いた。