【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ19)

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目的18:日の目は見ずともページ19

「…………………………………………………………」

達成感はなく、虚無感だけがあった。
自分でやっておいて何言ってんのって話だけど。

私はボスの元にあった全てのリングを拾い上げる。
本来ならボスのものに、ヴァリアーのものになるはずだったリングを見つめる。
未練がましいと自嘲し、沢田君の手にそれらを握らせる。

「もっと早く会いたかったし、話してみたかったし
……貴方の納めるボンゴレを見てみたかったなぁ」

私の本心を聞いた沢田君は不思議そうな顔をして言った。
もう死ぬ気状態は終わっていた。

「なら、そんなのこれからでも！」

最後に寝返ったとはいえ相手の幹部にそんなこと言えるなんて、やはり彼はどこまでも優しい子だな、なんて思いながら首を振った。

「したことは償わないとね……
でもその前にチェルベッロ、判決を」

全員がチェルベッロへ視線を向ける。

「それではリング争奪戦を終了し、全ての結果を発表します。大空戦の勝者は沢田綱吉氏。
よってボンゴレの時期後継者となるのは、
沢田綱吉氏とその守護者6名です」

その勝利宣言により、相手側は湧く。
それを横目に私は観覧席のスクさんの元へ足を進めた。

私の役目はこれで終わり。
あとはしたことの責任を取るだけ。

さっきまでの力の反動で体が重い。
でもまだ倒れるわけにはいかない。
あくまでも平静を装って彼の前で片膝をつき、
業務的な口調で報告をする。

「S・スクアーロ作戦隊長。ボス及び他の幹部達は夜明け前には目覚めます。覚悟は、出来ております」

勝利目前での謀反。処刑されて当たり前だ。

「……逃げねぇのか」

お前なら逃げることはできるだろうと遠回しに告げる。
思わず苦笑して返す。

「こんな力が、デメリットなく使えるわけないでしょう。正直もう限界でしてね……まぁ、お礼も、謝罪も……言う資、格すら……」

言うべきこと言ったら緊張が解けたのか意識が一気に遠くなった。
きっと次に目が覚めるときは地獄だろうな。
あるかは知らないけど。

倒れかけたとき誰かが支えてくれたようで視界に黒い影が映ったのが最期に見た景色だった。

まるで死神のお迎えみたいだ
なんて思いながら目を閉じた。