heartfelt X

side:gaku ページ37

雅「A本当にごめんな。俺がもっと早く気づいてたら.....」


『私も、気づけなくてっ、だから、雅樹は悪くないっ、
岳、雅樹は悪くないのっ、怒らないで、』


岳「怒らないよ。雅樹悪かったな。俺頭に血昇ってて。」


雅「いや、俺が悪いから。本当にごめん。」





俺だってAがこんなことになってるの気づけなかったんだ、誰かを責める資格なんてない。




Aが男に絡まれてるのを見た時は一瞬にして血の気が引いた。なんとか救い出せたけどAを置いて追いかけることもできず。
Aの安全が第一とはいえ、目の前でみすみす犯人を逃したことを後悔。





聖「犯人はその村主ってやつで間違いない？」


『うん、』


梅「雅樹商談に行ったんならそいつん家わかるやろ？今から突撃するか？」


源「現行犯じゃなきゃ意味ないよ。家宅捜索なんて俺らにはする権限ないし、白を切られるに決まってる。」


雅「なんとしても現行犯だな。あのおやじ、絶対捕まえてやる。」


岳「もう一回作戦を見直して詰めよう。Aこんな話聞くの辛いだろ。先に部屋帰ってる？」





ぎゅうっと俺の服の裾を握りしめ首を横に振る彼女の頭を撫でる。





『私みんなの分ごはん作る。雅樹、キッチン借りていい？』


雅「いいけど冷蔵庫空っぽで。」


『うちにある食材持ってくる。』


岳「Aここいていいよ。俺取って来るから。」


源「俺も運ぶの手伝うよ。Aちゃん、なに持ってきたらいい？」




Aに言われたものを運び、彼女が料理する姿を眺めながら作戦会議。
部屋に響く野菜を切る音はいつものような軽快な音は奏でず、元気なく包丁がまな板を叩く。





梅「犯人が知れたのはでかいな。」


源「Aちゃんに優しく接客されて勘違いしたんだろうね。」


聖「とにかく、これでこっちがかなり有利になったことは間違いない。」


雅「でも今日は電話も来ないし手紙も入れられてないし、完全に警戒されたよ。これが吉と出るか凶と出るか。」




どうするのが一番なのか、各々が案を出してでも結局 "手紙がいつ入れられるのか" と "今日のことで犯人がどう動くか" というところに行き着く。

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