過去2_ジン視点 ページ44
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丁度テヒョンとAが小学校へ上がって…
小2だったかな。
僕らの父さんが珍しく休暇を取れたから、僕らとAのお父さんと優子さんを混ぜてキャンプへ行くことになった。
僕と父さん2人は朝早く先に行ってテントやらバーベキューやらの準備をした。
優子さんとテヒョンとAは、買い出しをしてから後で優子さんの車で来ることになったんだ。
僕は楽しみで楽しみで一生懸命支度したよ。
でも、いきなりAのお父さんに電話がかかってきた。
Aのお父さんは会社かなって言って出たけど、すぐに青ざめた。
_落石があった。
車は横転し、中の3人は子供2人が重傷で意識不明。
子供をかばい女性が1人
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A「亡くなった…。」
!!
ジン「A…?」
A「そうだよ…あの時、車から逃げ出した時…私は怖くてすぐに走って逃げようとしたんだ。そしたらまた上から落石が来て、‘ テヒョン’が私を守ろうとしてそれをお母さんがかばったせいで…お母さんは…死んだ…。」
そっとは真っ暗だろうか。
Aの嗚咽と震え苦しむ声だけが感じられた。
暗闇の中でもすぐ真正面にいるAを抱きしめるのは容易い。
Aを抱きしめた。
A「なんで…なんで忘れちゃってたんだろう…テヒョンのことも、お母さんのことも…オッパのことも…。」
オッパ…懐かしいな。
僕は昔そう呼ばれてた。
ジン「しょうがない。医者は外部からの衝撃と、ショックから忘れたって言ってた。君のお父さんも、無理に思い出させたくないって言ってたよ。」
泣きじゃくるAの頭を優しく撫でる。
昔も泣き虫だった。
A「でも…でも…私のせいで。」
ジン「誰のせいでもないよ。仕方なかったんだ。
事故は誰にも予知できない。運命だよ。全て。」
A「…テヒョンは?」
ジン「え?」
A「テヒョンは思い出したの?」
…それは僕にもわからない。
Aとテヒョンが再び出会ったと思われる日。
家に帰ってきたテヒョンは第一声に、
「Aに会ったよ!」って言った。
その言い方から僕はてっきり思い出したのかと思ったけど、テヒョンは無意識みたいだった。
ジン「わからない。でも、君のお父さんが言うように無理に思い出させるのは良くない。思い出の最後が決していい終わり方じゃなかったからね。」
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作者名:たんぐん | 作成日時:2019年8月26日 22時