様子 ページ30
映画は思ったよりも怖くて、私は映画館を出たあとも何故か心臓がふわふわしていた。
A「怖すぎ…。」
結局主人公も死んじゃってバットエンド。
心は晴れぬまま終わるストーリーだった。
ジミンも調子悪そうだったし、なんでこんなの選んだんだ私！！
ジミン「…。」
それよりも気になるのはジミン様子。
さっきからおかしかった。
やっぱりまだ調子が悪いのかな…いや、待てよ。
映画中をプレイバック。
っ…/////
私達の密着っぷりはえげつないな。
吊り橋効果とはこのことなのかも…。
でも思い出すと恥ずかしい。
A「あ、あのさ、ジミン、ごめんね。」
ジミン「えっ？」
無言でひたすら歩いていたジミンが立ち止まった。
A「本当は怖いの苦手だったんだね…なのに無理して…それに、その…ジミンが嫌なことしちゃったかな…？」
ジミンが俯いた。
やっぱりしちゃったのか…。
今日は帰ろう。
せっかく誘ってくれたのに最悪だ。
ジミン「A」
A「っ、なに？」
ジミンに呼ばれて顔を上げる。
ジミンは困ったように優しく笑っていた。
なんでだろう…久しぶりジミンの本当の笑顔を見たような、そんな気がした。
ジミン「僕、なんにも嫌なんかじゃなかった。むしろ、悪い奴は僕の方だよ…。」
ジミンが悲しそうな顔をし、また歩き出した。
A「どうして？」
ジミン「それは…なんて言うか…。」
A「ジミン、私もなんにも嫌なんかじゃなかったよ。」
ジミン「！」
ジミンはハッとしたように私を見た。
顔が熱くなるのがわかった。
なんか恥ずかしいことしてる私！？
A「ほ、ほら、こうやって友達と遊べるのって楽しいじゃん！『 まぁなんていうかさ、私もやっぱりそろそろ韓国人を名乗れはしないけれどそのレベルにプライベートも進展させておかないといけなかったしまぁなんていうかさ！』
ジミン「ふふっ、A。日本語になってる。」
ジミンが声を上げて笑っていた。
本当に面白がってるみたいで、今日1番の楽しそうな笑顔だった。
A「笑ってくれた。」
ジミン「ん？」
A「私、ジミンの笑顔が好きだよ。」
ジミン「A…」
私達はいつの間にか映画館の通りの公園についていた。
2人で噴水前のベンチに腰をかける。
A「…今日はありがとね。」
ジミン「僕こそ。急に誘ったのに…嬉しかった。」
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作者名：たんぐん | 作成日時：2019年8月26日 22時
