バケツ ページ3
はぁ…なんでこんなことに…。
あの悪魔め…。
それは数分前のこと。
ソジュン「おーいイ・A。」
後ろから名前を呼ばれ振り向くと、担任のパク・ソジュン先生が居た。
私が立ち止まると手に持っていた大きなダンボールの箱を「ん。」と差し出してきた。
A「えっと…」
何となく 運べよっていう意図は分かる。
全世界共通の「ん。」みたいだ。
けど私は知らないふりをしたい。
何故なら見るからに重そうだからだ。
ソジュン「もう大分韓国語も慣れただろ？」
A「まぁ…少しは。」
ソジュン「なら、これ運んでくれ。」
待って欲しい。
何か私が韓国語を話せるようになってきたことと、繋がりがあっただろうか。
いや、0だろ。
A「すみません、まだ学校の中よく分からないので…。」
ソジュン「あー、大丈夫。何とかなるから。」
なんの自信があってそんなこと言えるんですか？
A「いやでも…。」
ソジュン「とにかく、 ゴミ捨て場な！ゴミ捨て場くらいなら分かるだろ！じゃ！よろしく！」
強引に私にダンボールを渡すと立ち去っていく。
A「あ、ちょっと！」
嘘でしょ…しかも重。何が入ってるの？
少し蓋を開けてみると…うわ書類ばっか。
こまめに捨ててない証拠。
筋肉のない私はフラフラしながら歩いていた。
_グラッ。
A「うわっ！」
中庭を歩いていると、石につまづき転びそうになる。
だけど…不思議と転んでいなかった。
A「え…？」
？？「야,괜찮아…？」
(ね、大丈夫…？)
私とダンボールを支えてくれた男の子。
驚くくらい整った顔に無邪気な笑顔で、少しキュンとした…
私がパボってやつだった。
？？「えいっ」
__バシャッッ！！ 何が起きたのか理解ができない。
どうしてこの子はバケツを持っていて、しかものその中に水を入れていたのか。
そしてそれを何故、私にかけたのか。
A「……はぁっ！？」
？？「本当は階段に落書きしちゃってそれを消せって言われたから持ってきた水だけど…お姉さん汗だくだから、これでスッキリしたでしょ？」
なんて言いながら悪意の欠けらも無い笑顔を向けられても…
A「な、何すんの…！！」
私はダンボールを投げ捨てた。
そしてその場を走って立ち去った。
？？「えぇ…？」
ソジュン「おいキム・テヒョン。こんなとこにいたのか。」
テヒョン「あ、先生。ね、これ拾ったからあげ
る。」
ダンボールを渡す。
ソジュン「これ…」
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作者名：たんぐん | 作成日時：2019年8月26日 22時
