幽霊の正体 ページ13
A「そうですけど…」
？？「あー、やっぱり。」
そう言うとピアノの横にあった黒いリュックを取りポケットからスマホを出した。
？？「あ？何やってんの？閉めるけど。」
A「え、あ、はい！」
私は慌てて音楽室を出た。
気だるそうに鍵を閉める男。
？？「お前がなぁ…テヒョンと仲良いらしいな。」
テヒョン君とも知り合い？
A「仲良いっていうか…あ、そもそも貴方は誰ですか？」
？？「俺は…3年のミン・ユンギ。」
ユンギ先輩…なんかテヒョン君から聞いたことあるような気がする。
いつも寝ててでも時に男らしくて大好きなヒョンだって言ってたな。
A「そうなんですね。ユンギ先輩は、音楽室で何を？」
ユンギ「ピアノ弾いてたら寝てた。」
ピアノ弾くんだ…
なんか素敵。
A「ピアノ弾けるんですね…すごい。」
ユンギ「別に。すごくもなんともねぇよ。ただ楽しいから弾いてるだけ。」
なんかかっこいいなこの人。
A「へぇ…。」
ユンギ「なぁ、お前ってキム・ソクジンと知り合いなの？」
キム・ソクジン…？
あぁ…テヒョン君のお兄さん？
A「知り合いではないですけど、テヒョン君から聞いてます。」
ユンギ「…ふぅん。なんかさ、テヒョンがお前の話すると妙に静かになるんだけど何もねぇの？」
ユンギ先輩は少し悲しい顔をした気がした。
私の話をすると静かになる…？
もしかしてテヒョン君が悪い女と付き合ってるとか勘違いしてるのかな！？
A「なんか、誤解されたらどうしよう…。」
ユンギ「なんつぅかさ…お前のことずっと前から知ってたような感じなんだけど、本当に知り合いじゃねぇの？」
私のことを…ずっと前から知って…
__ジンオッパ！こっち来て！
_ズキッ.
A「いっ…」
私は例の頭痛にまた頭を抑えた。
ジン…オッパ…？
ユンギ「…おい、大丈夫かよ…っ…なんでお前」
え？
ユンギ「なんでお前泣いてんの？」
私…泣いてなんか…、
そう思いながら頬に触れると確かに濡れていた。
痛みから？
そんなことはない。
じゃぁなんで…
なんでこんなに…苦しい気持ちなんだろ。
A「分かりません…」
ユンギ「……俺、大抵放課後は音楽室にいる。じゃぁな。」
それだけ言うと学校を出ていった。
いつでも話聞いてくれるみたいな？
とにかく私も…帰らなきゃ。
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作者名：たんぐん | 作成日時：2019年8月26日 22時
