□an・an ページ14
***
流星｢…は？｣
｢…だーかーらー、表紙決まった。｣
流星｢……なんの？｣
｢…ananだってば。｣
流星｢………は？｣
.
さっきからずーっと、このループです。
.
流星｢ananって、あのanan？｣
｢流星が売れすぎて店頭から消したanan。｣
流星｢まじで？え、Aananやるの？｣
｢ついに！念願の！夢みたい！｣
流星｢……俺は夢であって欲しい。｣
.
さっきから温度差が凄い。
過去に女性でソロ表紙飾った人達もみんなカッコよくて、
私にとっては憧れの雑誌。
流星も表紙やった時はそれはそれは大反響だったわけで、
私もやるって言ったら喜んでくれると思ったのだが…、
.
流星｢…脱ぐの？｣
｢んー…？そんなには脱がない。｣
流星｢そんなには？｣
.
彼はここが気になって仕方がないみたいです。
.
｢キャミソールにシアーシャツ羽織るみたいな。｣
流星｢…シアーって、透けるやつ？｣
｢そうそう。｣
流星｢……下は？｣
｢…ショートパンツ？｣
流星｢アウトだろ。｣
｢なんで！笑｣
流星｢足出すってことでしょ？
てか上も透けてるなら着てないみたいなもんじゃん。｣
｢いや、着てるから。｣
流星｢…それに、撮影進むにつれて
カメラマンさんがノせてくるだろうし。
“じゃあ上脱いでみようか〜” って。｣
｢自分も脱いだじゃん。｣
流星｢俺はいいの、男だし。｣
｢すっごいかっこよかったよね、あれ。｣
流星｢…ああ、ありがと。
……ってそうじゃなくて。｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年8月2日 17時
